名誉四段免状のこと

2020-10-24 00:00:45 | しょうぎ
先週、横浜市歴史博物館で開催中の「緒方拳」展に行った時に、緒形拳(1937-2008)の新国劇時代の師匠である北条秀司氏(1902-1996)のことが紹介されていた。「拳」という字を芸名に決めたのは北条氏の妻だそうだ。この北条秀司氏の舞台脚本の最高作の一つが「王将」。三部作になっていて、阪田三吉の一代記であり、緒形拳のはまり役であり、村田英雄のヒット曲にもなった。

北条氏に対し日本将棋連盟は二度にわたり段位免状を贈呈している。舞台のヒットに対し三段。歌謡曲のヒットに対し四段である。帰宅後、念のため問題図書である「将棋紳士録」で確認すると、鎌倉市の正確な住所と電話番号とともに「四段」の欄にその名前が記載されている。

展覧会には、その四段免状が出展されていたのだが、残念ながら撮影禁止だし筆記具も持っていなかったため、文面を復元できないのだが、明らかに通常の免状と異なっている。通常の免状は段位によって異なるのだが、基本的には「長く将棋の勉強をして強くなったので、〇段を允許する」という内容なのだが、最後のところが「名誉四段を」というようになっている。普通に考えれば、「長く勉強をしたわけではないですが、将棋の市民権向上に役立ったので、お礼に名誉〇段を差し上げます」という文面のはず。特に政治家に持っていくことが多い。

一方で、ゆるキャラで有名な「くまモン」も平成26年に初段免状をもらっている。その免状部分の画像を見ると、一般免状と同じだ。「つとに将棋に丹念して研鑽怠らず進歩顕著なるを認め、ここに初段を允許す」。



知り合いに名誉〇段を送られた人がいないので、現代でも名誉免状と一般免状が別個に存在するのか調べるのは難しい(両方持っている人はレアだろうし)。


さて、10月3日出題作の解答。





大駒ビュンビュン。

動く将棋盤は、こちら。(flash版、edgeは不可)

gif版はこちら。



今週の問題



駒を動かすことが必要。いわゆる飛車角ダブルプレー。

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