The 有頂天ホテル(2006年 映画)

2017-03-27 00:00:11 | 映画・演劇・Video
脚本家三谷幸喜氏の監督としての三作目。ある意味1作目の「ラヂオの時間」とよく似ている。ホテルで起こるある1日のできごとを映画にするのはグランドホテル方式というらしいが、本作はさらに大晦日から新年を迎えるニューイヤーパーティという特別な夜で、時間の進行に押されながら、さまざまなドラマが進行していく。

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なんといっても国会議員武藤田氏が大企業からもらった賄賂が発覚寸前で、このホテルに潜んでいるところをマスコミに発見され、証人喚問の瀬戸際になる。さらに愛人騒動を引き起こす男女が何組もあらわれる。ホテルとはそういう場所なのだろうか。

主役は副支配人で役所広司が演じるが、劇中の役は、役者を目指して挫折してホテルマンに転身したのだが、役所広司は役所の仕事をやめて役者になったという倒立型だ。ドアボーイは香取慎吾が演じて、歌手をあきらめホテルに勤めているのだが、実生活では、ごく最近まで歌手だった。松たか子は室内係なのに、客の金持ち娘(富豪の愛人)の衣装を着てみたところを人違いで手切れ金(こんにゃく)を渡されそうになり、断ると、レンガが登場。

驚いたのは、劇中にそれほど重要ではないもののアヒルの逃走劇があり、アヒルは時々ホテル内に現れ、ガアガア泣くのだが、このガアガア泣く部分を声優が担当している。台本を見たときに、さぞ驚いただろう。

コメディとすれば有限な時間の中に、ずいぶん詰め込んだものだと感心するが、リアリティの面からいうと、あり得ないできごとが多いように感じられ、そこがわずかに興ざめする部分だろう。