「日本でいちばん行きにくい場所にある超人気のラーメン屋」が来た

2017-03-17 00:00:10 | あじ
「日本でいちばん行きにくい場所にある超人気のラーメン屋」というのを知っているだろうか。結構、全国的に有名なのだが、北海道の利尻島にある『味楽』である。まず開店時間が11時30分から14時までの2時間半。しかも、なぜか木曜日が定休日。

東京から行く場合、まず羽田空港に行き、稚内行きの飛行機に乗る。11時発12時50分着。そして、到着後、すぐにフェリーに乗っても開店時間には間に合わない。よって一泊する必要がある。そして稚内から朝一(07時30分)のフェリーに乗ると、海象が穏やかな場合09時10分に利尻島に着くが、『味楽』は島の反対側の港にあるのでバスに乗ると10時過ぎに到着するが、まだ開店前だ。そして、ラーメンを食べてから急いでフェリー乗り場に向かって、稚内に戻っても、東京行きの便は終わっている。

また一泊が必要だ。都合、二泊三日だ。宗谷岬にある「日本最北端の碑」を見学に行くしかない。日本が再び「樺太を返してほしい」とは絶対に言わないという宣言を、暗喩的に示した石碑である。

『味楽』ラーメンのだしは、昆布。つまり利尻昆布が安く大量に手に入る。たぶん業務用には形の悪い昆布とか使うのだろう。そして、味付けは、こがし醤油。

と、いくら知っていても行くことはないだろうと思っていたが、突如、新横浜にあるラーメン博物館(ラー博)に出店が決まった。3月から2週間、利尻島の店を閉店し、ラー博店に注力するそうで、2週間の間にスタッフに秘伝を教え、その後はスタッフが運営するということ。(この2週間に利尻島に行かれた方にはまことにお気の毒としか言えないが)

ラー博までは車で20分。バスと電車でも40分だ。2泊3日とは大違いだ。


それで、店頭20分待ちではあったが、その秘伝の「こがし醤油ラーメン」を食べる。

miraku


素朴だ!

横浜のラーメンは「家系(いえけい)」と言われるこってり味が多いのだが、まったくの素朴味で、塩辛い。ビールに合う味だと思ったら、カウンターの臨席の客はビールを飲んでいる。クルマで行ったのでそういうわけにはいかない。こがし醤油というのは醤油をこがすということなので、醤油が濃厚になるのだろう。新規開店ということで、まだ昆布だしが濃厚というようには感じられなかった。

開店間もないという問題なのか、利尻の本店のように2時間半の営業で残り時間を仕込みとして使うのではなく、一日フルタイム営業であることの影響なのかはよくわからない。あるいは、開店情報がラーメン通にいきわたり、客数が予想を超えていて、後手を踏んでいるということなのかもしれない。

今後の展開が心配なような期待したいような。色々と複雑。