白夜行(2010年・映画)

2014-06-17 00:00:03 | 映画・演劇・Video
東野圭吾の200万部小説は、ドラマ化され、さらに映画化される。小説→ドラマ→映画という順番は、時に小説→映画→ドラマになったりする。小説が後になる場合もたまにあるが、それは愚作になる。

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ストーリーの時間的には小説>ドラマ>映画ということになるので、それぞれ筋が異なることになり、本作も少しずつ異なっている。ただ、基本構造は同じで、主要登場人物の被害者とか加害者とかがかわるわけではないのだが、この小説のストーリーの怖いところは、人生の中のすごく長い時間をかけて、罪というものが、徐々に変貌して巨大化していくところだろう。

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本来、小説的には、主人公の女優が主演で、男優が助演というか影の主演。脇役として刑事(その後、退職刑事となる)というキャスト割りになるのだろう。ドラマ化の時は、主演を綾瀬はるかが務めるというありえないような事態で、刑事を武田鉄矢とこちらははまりがいい。

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映画では、主演が堀北真希とこれははまり役と思うし、助演が高良健吾とこれも主演を活かす組み合わせだと思うのだが、刑事役が、なんと「船越英一郎」。これでは船越さんの刑事ドラマになってしまっているように感じる。腑に落ちないまま立件した過去の事件を退職後も追い続ける「執念の刑事もの」になっているような気がする。船越さんって、本物の刑事以上に刑事みたいだし、演技とは思えないよね。

ただ、この刑事以外に感情移入できそうな人はいないわけで、なんとなく扱っているテーマが重すぎる闇のわけだ。ある意味、今後、数十年ごとに同じ小説から映画ができるのではないかなとうすうす思うのだが、ちょっと怖い。