日本の昔ばなし(松谷みよ子著)

2012-11-01 00:00:45 | 書評
mukasi「昔々、ある所にジジサマとババサマがいました。・・・」で、はじまる桃太郎寓話。ずいぶん人気が高い。その他、機を織る娘を見てはいけないといわれ、結局みてしまい、妖怪だったり動物だったり。日本は昔話の宝庫だった。

で、一般には昔ばなしというのは、民話の一形態なのだろう。民話の中には、姥捨てみたいな本質的には怖い話も含まれるが、昔ばなしの語感が意味するのは童話だろうか。こどもに語るべき民話ということだろう。で、童話となるとそこに含まれる要素というのが色々あって、寓話性とか教訓とかおおげさに考えれば民族の決意みたいなこともある。

またグリム童話なんていうのは、本当は怖い話が多く、連続殺人とかばらばらにして森に捨てる話とか・・日本の昔ばなしも犯罪的なものもあるが、その恐怖レベルは中欧諸国には遠くかなわない。

ところで著者の松谷みよ子さんは、何をしたかというと、全国各地に民話を収集した後、それを全集にまとめたりしたのではなく、自分の好きなように書き直したわけだ。しかも、方言をまぜたり造語をつくったり、古色蒼然とした発掘陶器をゴシゴシ洗って、さらに着色したり、適当に削ったり足したりしてシェイプアップしてしまったわけだ。

まあ、その方が安心して誰でも読めて楽しめるということなのだろう。

実際には、大変な大仕事だろうと、推測。