オリックス・ルール?

2008-02-05 00:00:58 | スポーツ
2月4日のフィナンシャル・タイムズのアジア版にオリックスが米国での投資を検討しているという記事があった。

 Japan’s Orix targets US market ・・・・

株式(M&A)や不動産投資のことで、日本国内でも当該社の得意分野である。米国で成功するかどうかはよくわからないが、こういう国際的なビジネスは得意中の得意のはず。

ところが、話は、子会社のオリックス球団のこと。前巨人軍のパウエル投手との入団契約をめぐり、ソフトバンク球団との二重契約という失態に至っている。そんなに人気殺到の投手を簡単に手放す巨人軍のことも謎だが、パウエル投手も一事が万事契約社会である米国の選手。二重契約はいけないこと位わかっているだろう。


ところで、同様な話は、野球にかかわらずビジネスをやっていると、たまに巻き込まれることがある。そして、そうなると厄介なことになるのだが、どうして、人間の労役契約のようなものが二重契約を疑われることになったか、興味がある(先日、同様なシチュエーションになって、へまを冒しそうになった。相手はオリックスではないけど)。

報道等から推測すると、今、はっきりと存在しているのは、オリックスとの統一契約書(日本語)のFAX、そしてソフトバンクとの統一契約書原本(日本語)及び英訳。そしてその付帯契約内容(言語不明)。ということになる。日本語の統一契約書をリーグのコミッショナーに提出することにより、選手として登録されることになるようだ。統一契約書と付帯的な詳細内容が別になっているというのは、契約の経済的内容にリーグが関知しない、ということなのだろう。実は、そこが一つの問題のような気がする。

事件を辿れば、まず、先行していたのはオリックスで、1月の11日頃、一旦、契約は口頭でまとまっていたようだ。そして、パウエルの言い分では、ビザ取得のためという理由で日本語の契約書のFAX版に、英語を確認せずサインした、という。その後、20日頃、ソフトバンクとの交渉がまとまり、契約書類一式にサインしたということらしい。

この段階での問題は、この最初のFAXに既にオリックス側のサインがあったのか、あるいはパウエルの方が先にサインしたのか。両者がテーブルでサインするのと異なり、FAXの場合は必ずタイムラグがある。片方が先にサインし、相手にFAXを送る。すると、通常は相手がサインをし、日付けを記入し、FAXで返送する。そして、あらためて原本にサインが行われる。FAXと同様にどちらか片側が先にサインをして相手が記入して返送するのが普通だ。話の筋から言うと、パウエルがFAXにサインをしたあと、すぐに日付が書き込まれたようだが、実際に両者のサインのある契約書(FAX版)がパウエルに送られたのはもっと遅くだった可能性がある。FAXでも有効ではあるが、FAXの後に直ぐに本契約書を取り交わすのが普通なのだから、何かスムーズに進んでいない。

また、契約は二人目がサインすることで成立するため、二人目がサインする場所が契約地になり、福岡とか大阪とか書かれているのか、USAの地名になっているかというのも手がかり。が、契約地が日本国内になると、契約書に印紙税がかかるので、節税?目的で日本以外の地名が選ばれることがある(もっとも、契約金額とかが付帯契約の方に書かれているとすると、その契約書の契約地が国内か海外かで印紙税が必要かどうかということになるのだろうか)。

パウエルが言うように、11日以降、契約条件について、古傷を持ち出して、年棒の減額の可能性を言われたとすると、日本語の統一契約書でコミッショナー提出用だけは作ったが、内容がまだ合意されていなかったことになる。この部分は検証の必要がある。条件を決めず、あるいはあいまいな口約束で契約が行われたとは思えないので、この部分の真偽が決め手というところかもしれない。

また、根本的な問題だが、日本語と英語のどちらの契約書が優先されるのか、あるいはどちらでもいいのか、ということだが、統一契約書となっているところから言うと、日本語契約の方が優先するのではないだろうか(推測)。


さらに、火に油となったのが、パリーグで、両者の統一契約書をくらべて、どちらも正当で二重契約の可能性がある、と責任回避をはかったのがいけない。正当でない契約書を提出するわけもない。この「二重契約発言」以後、パウエルが悪者になっていたが、事実が明らかになるにつけ、オリックスのやり方がおかしいという声も増えてきた。


ともあれ、本人の来日と電話による事情聴取(英語?)によって、やっとソフトバンク入団が決まったようだ。ただし、3ヶ月出場停止という条件がついているので、すんなりいくのか、「法的手段も辞さない」といういきごみでさらに開幕出場を目指して戦うのか、それはこれからなのだろう。

パウエル、3カ月出場停止・二重契約問題はソフトバンクに優先権
 パ・リーグの小池唯夫会長は4日、ジェレミー・パウエル投手がソフトバンク、オリックス両球団と二重契約している問題で、ソフトバンクとの契約が優先することを認めた上で、同選手の支配下選手登録は6月22日までは認めず、同23日以降にソフトバンクから統一契約書の申請があれば、受け付けるとした。パウエルは事実上3カ月は試合に出場できない。ただし、両球団が合意に達した場合は6月22日以前の登録も認めるという。

 小池会長は4日午前、来日したパウエル投手から電話で事情聴取し、ソフトバンク入りの希望を確認。午後からは東京都内のホテルでソフトバンクの角田雅司、オリックスの機谷俊夫両代表と会談した。小池会長は「両球団の主張は平行線をたどった。連盟会長として、いつまでも放置できない」とし、村田繁事務局長は「これは野球協約上の強制措置でも裁定でもない。強い勧告を示した」と話した。〔共同〕 (20:02)

ということで、不可解な諸問題は闇に葬られそうだが、

 付帯条件の契約書(アペンディクス?アグリーメント)はオリックスとの間に存在したのか?
 
 日本語と英語をどちらが正式か?
 
 パウエルはオリックスに対し、契約不成立の確認をしたというが、その真偽は?手段は?
  
 統一契約書と付帯契約を別々にするのは、過ちの元ではないだろうか。あるいは単に節税対策?

というような部分が大いに気になるのである。

まあ、本当はもっとこじれにこじれて、結局、二重登録のまま中2日で両チームで投げまくったらどうだろうと思っていた。40勝くらい行くかもしれない。もし両チームが対戦するときは、先発で9回まで表裏を投げ抜いてみる。デッドボールをぶつけてしまったら、次のイニングに報復ボールを投げてみる。両チームの選手から袋叩きにされただろう。

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