ランニングバックのお仕事

2005-12-29 22:42:30 | スポーツ
c81a6671.jpg少し変わった話を書いてみる。まず、NFLのことから。

NFLは全部で32チームなのだが、まずアメリカンカンファレンスとナショナルカンファレンスに16チームずつ二分割。さらに4チームずつ、東西南北の4ゾーンに分かれる。そして色々と複雑なルールで試合の相手が決まり、17週間で1チーム16試合が行われる。そして、プレーオフはこの8ゾーンの優勝者に勝率の高い4チームを加えトーナメントを行い、最後にスーパーボールで優勝チームを決める。

そして今年も12月最後の週で15試合までが消化。残る1試合だけで、既に独走して地区優勝を決めたチームもあれば、僅かに残るワイルドカードを狙って死闘しているチームもある。

その中で、13勝2敗の好成績でNFC-westで優勝したのはシアトル・シーホークスというチームなのだが、ランニング・バックにショーン・アレクサンダーという選手がいる。彼の活躍が好成績に直結したと言ってもいい。1試合残した段階でシーズン27タッチダウンのNFLタイ記録を残している。残る1試合で新記録更新を狙うのか、プレーオフに備えて休養をとるのかはわからないが、15試合27TDということは、1試合あたり1.8TD。もちろん一人で点数を取るゲームではないが、1TDあたり7点とすれば、7×1.8=12.6点を稼いでいると言うことだ(7点のうち1点はキッカーだが)。

ところで、話は、このタイ記録を破られそうな選手の話だ。プリースト・ホームズ。カンザスシティ・チーフス所属。大変な人気選手だ。27TDは2003年に記録。ホームズ選手が凄い点は、パスレシ-ブとかは一切行わず、純粋な「ランニング」に徹していることだ。基本的にランニングバックはQB(クウォーターバック)よりも後ろにいる。そして、QBからボールを渡されるのは、ボールが元あった場所よりも5ヤード位後退した場所である。つまり、最低5ヤードは前に進まないと徐々に陣地はマイナスになってしまう。

ランニングバックの難しいところは、敵と味方の選手の隙間空間を見つけてそこへ走っていくことだが、局面は刻々と変化し、すべての選手が動いているので、長距離を走るためには相当な未来予知能力も必要だ。

そしてチーフスは最終節(week17)にワイルドカードをめぐっての死闘を行うはずだ。しかしホームズは脊椎の痛みから欠場するらしい(ただし引退はしないそうだ)。ここから話は変わる。

数週間前のことだが週末のNHK衛星でNFLweeklyを何気なく見ていたのだが、ホームズ選手の意外な特技のことが紹介されていた。それは、・・・チェスだ。高校の時から大会に出場していて賞金キラーだったらしい。インタビューで、話を聞くと、「フットボールとチェスは似ている」とのこと。それぞれの駒の性能は違うし、戦略性が必要とのこと。女性キャスターとチェスを指しながらのインタビューでは、7手位先を読んでいると言っていたが、これは大したものなのだ。

まず7手というのは将棋の7手とは異なるのだ。チェスは先手と後手とセットで一手というのだ。だから将棋的に7手を表現し直すと、14手先ということになるが、そんなに先を読んで将棋を指すのは、プロ棋士の領域だ。隙間を見つけながら長い距離を走るということは、そういう未来予測のような考え方が有効なのだろう。

ここで、チェスネタをいくつか。

1.オリンピックに割り込もうとしている。「頭脳オリンピック」ではなく、本物の五輪のことである。頭脳も肉体の内数、と捉えればいいのだろうか。頭が悪いのでよくわからない。

2.元世界王者カスパロフ氏、プーチン大統領の後継者を狙う。ちょっと無理っぽい感じもする。

さて、一方、私自身のチェスの腕前だが、ちょうどYahoo!のゲームの中にチェスレーティングがあり、現在の持ち点は1600点ほど。将棋で言えば二段くらいかなと思うのだが、日本国内では参加者が極めて少ないのでUSAサイトから挑戦すると、1500点くらいになる。これは初段クラスなのだろう。さらに驚くのは、USAサイトを閉じて、例えばUKサイトから入っても、USAの時の点数がそのまま使えるようになっている。要するに日本だけが別枠のわけだ。

そして、ホームズ選手の記事を調べていたら、「大型フィギュア」が発売されていた。はっきり言って、黒人差別のにおいがする。まったくの間抜け顔だ。本人がフィギュアを見ないことを祈りたい。