ピストンエンジンは永遠か!な?

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油圧リフター

2006年03月04日 | バルブトレイン
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コレは純正部品ではありませんが、まだまだ使えそうです。
形状と構造は純正のものとまったく同じです。

下に見える”SST”はその都度作る軟鋼の針金製です。チェックボールを押すためのモノですからなるべく柔らかい金属性が良いですね。

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手で引っ張ればこのように分解できます。
プランジャー(内側)とボディはセットになっていますので、分解したら他のセットと混ざらないようにしておきます。

矢印の部分にキズや磨耗の跡があれば廃棄です。

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矢印がチェックボールです。
これによりオイルの通路を一方通行にします。

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キレイなガソリンと器を用意して、青矢印のように”SST”をソッと押します。
そして、押したままプランジャーを赤矢印のようにストロークを繰り返すと、チェックボールまで洗浄する事が出来ます。

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ガソリンが乾かないうちにプランジャーのチェックです。

下のオイルの通路を塞がないようにして、矢印のようにストロークさせます。
プランジャーが悪ければ気泡と共にガソリンが出てきます。ガソリンがプランジャーの周辺から出てこないで抜けてしまうようでしたらチェックボールの不良と考えて、もう一度洗浄しても同じようでしたら廃棄ですね。

つまり、ガソリンを120℃以上のオイルと見立てて、テストをするわけです。
この方法もワタシの20年来の秘技です(笑)。

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洗浄とテストが終わったら、リフターボディにオイルを少量入れます。
ドライでやる方法もありますが、どうもワタシは好かんですね。

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また”SST”を使って余分なオイルを抜きます。
残ったオイルが多すぎると、インテークのプッシュロッドを入れる時に苦労してしまいます。ま、その時に抜けばコトはすみますが・・・・。

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プッシュロッドをインストールするときには、プッシュロッドカバーも一緒ですから準備をしておきます。

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ココでプッシュロッドカバーの変遷を・・・・。

プッシュロッドカバーは’79年を境に変わっています。
上側が’79年までのもので、下側がそれ以降のもので矢印のように”立ち上がり”があり、'79年後期~’81年まではOリング、それ以降はクアドシールの使用です。

コルクのリングは'79年までの”立ち上がり”がないカバーに使い、今回は永久?に使えそうなシリコンラバーの物を使います。

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ローラータペットにやはり少量のオイルを注入しておきます。
こうしておくと、エンジンを始動させてからオイルの回りを待つよりも、早くリフターが機能しますね。

*この場合は必ずタペットがカム山に乗っていないことを確認しておきます。

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リフター内のオイルが適量であれば、指先で押してプッシュロッドを差し込むことができます。
プッシュロッドの両端にも少量のオイルを塗布しておきます。

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まず、リフターのスプリングが遊びがゼロの状態まで、プッシュロッドのアジャストスクリューを伸ばしていきます。
プッシュロッドカバーは写真のように洗濯バサミを使って固定すれば、手が2本でも作業しやすいですね。

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スプリングの遊びがゼロの状態から、アジャストスクリューを4回転回してロックすれば完了です。


*リフター内のオイルが多いとバルブを押し下げますので、調整が終わったプッシュロッドを手で回すことができるのを確認してから、次のシリンダーの作業をするためにクランクを回してください。

*社外のプッシュロッドの中にはアジャストスクリューのネジピッチが異なるものもありますので、その場合には調整回転数が変わってきます。

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プッシュロッドカバーのリテーナーを嵌め込むのには、ワタシは写真のように細いマイナスドライバーをテコに使います。
コレは25年来の秘技!!
今日も秘技の大判振る舞いかな?

































シリンダーヘッド組み付け

2006年03月04日 | シリンダー、シリンダーヘッド
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スレッドコンパウンドを使い、ヘッドボルトは手で軽く回るくらいまで馴染ませます。
もちろん、ヘッドとボルトのネジ山に損傷がないかもチェックです。

ネジは締め付けトルクの60~70%くらいは、ネジ山と座面のすべり抵抗で喰われてしまうと言われ、軸力が締結力になるのは30~40%なので、特に太いボルトでは極力ネジ山の抵抗を減らしてやらないと、ガスケットに充分な面圧を掛けることが出来ません。

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シリンダーの上面を脱脂してガスケットを上に載せておきます。
ヘッドガスケットは純正ですが、前後は共通で裏表を逆に使います。

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ヘッドの脱着は時により”知恵の輪”になることもありますが、これは面研してあるので楽に入りました。
フレームがキツクて外れない場合は、エンジンマウントを外す必要もあります。

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ヘッドボルトの仮締めまでは、写真の1/4ドライブのラチェットレンチを使うと便利です。

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ヘッドボルトのマニュアルトルク値は75~102Nmですが、勿論通常のトルクレンチを使うことは出来ません。
かと言ってアダプター式のトルクレンチを使えば万全かというと、そうではないと思います。
また、力いっぱい締めては緩まないかもしれませんが、ボルトの折れる危険性、鋳鉄のシリンダーでも変形の可能性もあります。
ですから、ワタシの最上の締め方は対角に順番に少しずつ締め、写真のスナップオンの締めすぎの危険性もない長さ30cmのハンドルで締めこんでいきます。
これから先は経験がモノをいうやりかたですが、要はトルク勾配法の一種で、締めこむにつれ「角度によるトルクの増大」を感じながら締めます。これが出来ないと1人前のメカとは言えないかも(笑)。
そして、特にヘッドボルトの肝心なのは、一度エンジンを掛けて充分暖め各部を膨張させて、ヘッドガスケットを沈ませてからもう一度「トルク勾配法」で増し締めします。
ワタシの20年来の秘技でした。

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増し締めにはこういった「ハーフムーン」のレンチも使います。
写真ではスターターソレノイドの端子がむき出しになっていますが、こういった場合ではバッテリーアースを必ず外します。

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トップモーターマウントも軽くみてはイケマせん。
ロングストロークの背の高いエンジンは、シリンダーとヘッドが前後に振動します。異常振動がマウントの緩みだったということもあります。そしてフレームとの隙間を無理やり締めては、マウントの破損の原因となります。

昔、単気筒エンジンのレースでヤマハSRX600のレーサーを作り走らせていた頃、フレーム側のマウントが壊れたら、シリンダーが割れた!!こともあります。