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海南島からの朝鮮人帰還について 17

2007年05月13日 | 海南島からの朝鮮人帰還
■3、海南島からの朝鮮人帰還 9
Ⅱ、朝鮮人「居留民」、「軍人」・「軍属」の帰還 1
 朝鮮人「居留民」は、ほとんどが日本人集団を離脱して朝鮮人組織を結成し、さらに朝鮮人「軍人」・「軍属」に離脱を呼びかけた。このことにかんして伍賀啓次郎は前掲「帰還報告書」の「朝鮮籍民ノ移管」と題する節に、
   「集中セザル居留民ヲ中心トシ朝鮮人民聯合会ヲ結成シ韓国独立光復軍ノ編成等ヲ標榜
  活溌ナル運動ヲ開始シ特ニ集中セル軍人軍属ニ働キカケタル為軍人軍属中一部ノ者ハ日本
  軍人軍属ト共ニ集結スルコトヲ潔シトセズ事毎ニ反抗的態度ヲ執リアリタル処一九四五年
  十月中旬第十五警備隊ノ特別志願兵十九名ハ朝鮮人民聯合会ノ策動ニ呼応遂ニ聯合会ヘ逃
  亡スルニ至レリ」(原文「元号」使用)
と書いている。
 海南島南部の収容所は、田独、茘枝溝、楡林安由、向華村(元、六郷村)、楽安にあった(43)。
 海南海軍軍需部長兼楡林海軍運輸部長柄崎基夫の「内地帰還報告」には、軍需部と運輸部の関係者は田独の収容所に、鉄道関係者は茘枝溝の収容所に入れられたと書かれている。茘枝溝は、「朝鮮村」から2キロほどしか離れていない。 
 この報告書によれば、日本敗戦時の軍需部及び運輸部の部員数は、つぎの表のようであった
  (44)。

表4; 日本敗戦時の軍需部および運輸部の部員数
             日本人 朝鮮人 台湾人  計
軍需部  三亜本部  268   17     9   294
     海口供給所   96          2   98
運輸部  三亜本部  242   14      24   280
     海口支部     28               28
     鉄道       116    2      789  907
計              750   33     824  1607

註43 荒井義一郎(海南警備府参謀)「海南部隊現状報告」、前掲『海南地区終戦処理概要及
  現状報告』。
註44 海南海軍軍需部長・楡林海軍運輸部長「内地帰還報告」、前掲『海南地区終戦処理概要
  及現状報告』。
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