三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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「韓国の内部対立による二極化で青年世代が「脱北」している」

2024年04月21日 | 北部朝鮮
「The Hankyoreh」 2024-04-20 10:07
■[寄稿]韓国の内部対立による二極化で青年世代が「脱北」している
 パク・ジュンギュ|「韓半島青年未来フォーラム」創立者

【写真】昨年9月21日午前、仁川市庁前にある「仁川愛の庭」にて、北朝鮮人権市民連合の主催で開かれた北朝鮮人権を知ってもらうための部屋脱出プログラム「北風南風」で市民が北朝鮮の家庭を再現した部屋脱出の体験をしている/聯合ニュース

 外交的孤立と経済難によって北朝鮮で約300万人が餓死したという「苦難の行軍」以降、北朝鮮と中国の国境を通じての市場経済が活性化し、2000年の南北首脳会談の支援と南北接触によって、住民たちは外部の文化や文物への接触を続けた。1990年代生まれとその後の世代、すなわち、苦難の行軍の時期に生まれ、党からの配給が途切れた状況のもと、生存するために住民たちが自ら活性化した市場経済のなかで、外部の文物を自然に接触・吸収して成長した世代には、体制維持の核心である党の思想統制が機能しなくなり始めた。北朝鮮首脳部は、反動思想文化排撃法、平壌(ピョンヤン)文化語保護法、青年教養保障法などを実施し、文化の接触、吸収、模倣を徹底して防ぐために全力を尽くしている。今年初めから武力の示威を続け、「統一」「南朝鮮」「朝鮮半島」「三千里」のような単語を公文書から削除するなどして、南朝鮮との接触点を真空状態にするようにした理由も、やはり、体制維持のための内部制御に亀裂が生じたためだとみるのが有力な分析だ。
 北朝鮮は、人道的支援や交流、協力を断固として拒否している。2000年の首脳会談は、北朝鮮の外交的孤立と経済崩壊、苦難の行軍という時期的な状況と重なり、円滑に進めることができた。しかし、コロナ禍の時期から、北朝鮮はいかなる経路からも韓国の支援を拒否している。統一・朝鮮半島戦略を修正・制度化し、韓国との接触に関連する機関と人員も同様に撤収させている状況だ。こうした北朝鮮の大変化と未来の朝鮮半島に対しては、細心の対応が必要だ。
 しかし、こうした状況のもとで最も懸念されることは、韓国内での対立だ。大韓民国はあらゆる分野で真っ二つに分かれている。二極化の最も中心に南北問題が位置している。政権が変われば、北朝鮮に対する対内・他外政策が180度変化する。そうした極端な変化は、大韓民国に対する国際的な信頼もやはり低下させざるをえない。
 北朝鮮問題をもう少し詳しく見てみると、韓国内の対立の二極化の境界にはあまりにも矛盾が多く、不明だということがわかる。北朝鮮の人権問題が代表的な例だ。北朝鮮の権力型の人権侵害の犯罪や、生命権と生存権、女性の人権、児童の人権などの人権の構成要素を考慮すれば、実態改善のための圧力とともに、脆弱階層の支援のための人道的支援も同じく複合的に考慮しなければならない。しかし、韓国内の対立のもとでは、「北朝鮮人権問題」は保守の領域、「人道的支援」は進歩の領域とみなされている。発展的な対立ではなく、誰と合うのか、正しいのか、優秀なのかをめぐって行われる消耗的な対立で、問題解決の本質は薄れてしまっている。
 青年層の統一に関する議論は空白状態も同然で、年々否定的な世論が強まっている。現在の住宅不安のような現実的な疲れを訴える青年たちにとって、狂気じみた政争は、北朝鮮に対する漠然とした拒否感を生みだし、統一ははるかに大きな「追加負担」としてのみ認識されている。朝鮮半島分野の学界と実務分野も同様に、二極化のうず巻きのなかで分裂し、青年たちは進学と在職を敬遠し、「脱北」という単語を使って北朝鮮分野から離れている。中国に留学した親友の証言が思い出される。北朝鮮の留学生は専攻を党が決めるという。対外・対南戦略のため、最優秀の人材を党で組織的に養成・配置しているという。
 繊細かつ鋭敏な時代変化を反映した「一つになった大韓民国」の体系的な運営が必要だ。北朝鮮が挑発行動をできないようアプローチをしながらも、北朝鮮住民の人権の実態改善のための人道的緊急支援もあわせ、「ツートラック」で進めていかなければならない。未来の朝鮮半島の安定化のために、「一つの国家」次元での構造的・制度的な人材育成システムの用意が急がれる。北朝鮮に対する二者択一の閉じ込められた集団思考の構図を打ち破り、合理的かつ実効的な分析と判断をもとに、新たな朝鮮半島分野のセクターを作ることが、未来の朝鮮半島のために切実に求められる。その希望を、思考の柔軟さを備えた青年世代に託してみることを提言する。

パク・ジュンギュ|「韓半島青年未来フォーラム」創立者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-04-18 19:04
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