三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

「米国・チェコに二重請求書…韓国の原発輸出、大儲けはない」

2024年09月23日 | 
「The Hankyoreh」 2024-09-23 09:42
■米国・チェコに二重請求書…韓国の原発輸出、大儲けはない
 ウェスティングハウス、技術使用料の交渉で「バラカ原発のときとは違う」 
 「チェコ現地企業が60%参加」加われば、「赤字輸出」懸念も

【写真】尹錫悦大統領と夫人のキム・ゴンヒ女史が22日午前、チェコ公式訪問を終えて京畿道城南のソウル空港に帰国し、空軍1号機から降りて手を上げて挨拶している=ユン・ウンシク先任記者//ハンギョレ新聞社

 チェコのドコバニ原発の受注をめぐり、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が最近チェコを訪問して「うまく解決されるだろう」と期待したのとは違い、知的財産権で紛争中の米国ウェスティングハウスと韓国水力原子力(韓水原)間の合意が遅れていることが確認された。さらに、ウェスティングハウスに支払わなければならない「対価」を考慮すると、原発輸出は政府と与党がいう「大儲け」の水準に達するのは困難だとする指摘も出ている。
 22日、最大野党「共に民主党」のキム・ハンギュ議員室側の話によると、韓水原のチェコ・ポーランド事業室の原発輸出協力チームは、知的財産権関連の合意状況への質問に「合意事項はない」と20日に回答した。ウェスティングハウスの米国本社関係者もハンギョレの電子メールでの質問に、今月初めに「大きく変わってはいない。国際仲裁と訴訟を継続する」と明らかにした。同関係者は「仲裁決定などが来年下半期より前に下されることは難しい」とも説明し、来年3月に予定されるチェコ原発の最終契約の前に有利な立場を得ようとする戦略だと読み取れる。匿名を求めたある原発業界関係者は「ウェスティングハウスが(アラブ首長国連邦の)バラカ原発のときの規模の『示談金』を要求し、韓国は技術的自立を主張し、(金額をめぐる)意見の違いが大きい状況」だと説明した。
 チェコが韓国にチェコ現地企業の原発建設の参加率60%を要求している状況で、ウェスティングハウスに示談金まで支払うことになれば、最終的には韓国への割り当て分として戻ってくるものは多くないだろうという指摘が出ている。野党側の推算で、韓国への割り当て分は合計で6兆6000億ウォン(約7100億円)の水準に過ぎないためだ。バラカ原発のときの予算186億ドルのうち11%ほどにあたる20億ドルの機材と資材の費用がウェスティングハウスに渡り(原発業界分析)、チェコ現地の企業や人材などに渡る建設費を最大60%と仮定した場合の金額だ。チェコのペトル・フィアラ首相は20日(現地時間)、チェコ現地で尹錫悦大統領と会談した直後、「韓水原はチェコ企業と70以上の協力協定書を締結し、私たちが目標とするチェコ企業の60%の参加率に到達できると考えている」と強調したことがある。この場合、チェコ原発2基の建設費4000億コルナ(約2兆5700億円)のうち、残りの29%にあたる1160億コルナ(約7400億円)が韓国への割り当て分になる。昨年の韓国の総輸出額(約845兆ウォン、約91兆4000億円)の1%にも満たない。

【写真】チェコのドコバニ原発の全景=韓国水力原子力提供//ハンギョレ新聞社

 さらに、チェコ自体の状況も韓国の「収益性」の助けにはならない。「エネルギー転換フォーラム」のソク・グァンフン専門委員は「チェコ政府が原発2基の建設費として策定した4000億コルナは、今年のチェコの全予算の17%、国防予算の3倍に該当する」として、「来年に総選挙を控えたチェコ政府にとっては、世論を考慮して最終契約で韓国に多くの収益を与える決定を下すのは難しいだろう」と説明した。
 尹大統領が国政課題に掲げた「2030年までに原発10基輸出」については、知的財産権紛争が今後も障害物になるだろうという見方も出ている。原発関連の核となる国際特許が韓水原にはなく、ウェスティングハウスに毎回巨額の技術諮問料を支払わなければならないということだ。東国大学のパク・ジョンウン教授(エネルギー・電気工学科)は、「韓国が完全な技術自立を主張するためには、原子炉圧力容器などの核となる部品に対する国際特許がなければならないが、現時点では技術改良水準」だと述べた。
 これについて野党は「(実益がある輸出であれば)技術使用料と機材・資材調達の金額などの交渉条件を明らかにせよ」と要求した。一方、与党は「共に民主党が大統領の原発セールス外交に対して『ダンピング』『急造』など言って妨害することに専念している」と反発した。「現地企業60%参加」について大統領室高官はこの日、ハンギョレに「韓国の企業の現地子会社も『現地化』に含まれており、現地化はチェコの希望とは違い、原発の安全性が確保される範囲で可能になるもの」だとして、「来年3月の最終契約のときに決定される事案であり、交渉する問題」だと述べた。

【写真】尹錫悦大統領が20日(現地時間)チェコのプルゼニ産業団地内のドサン・スコダ・パワー工場で開かれた原発全周期協力の協約式とタービン・ブレード書名式を終えた後、祝辞を述べている=プルゼニ/ユン・ウンシク先任記者//ハンギョレ新聞社

オク・ギウォン記者、イ・スンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-09-23 01:29


「The Hankyoreh」 2024-09-23 06:15
■【社説】「安過ぎ批判」チェコ原発受注戦、「原発ルネサンス」妄信してはならない
 原発セールス外交に取り組む尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が22日、チェコ訪問を終えて帰国した。大統領室は、韓国水力原子力(韓水原)のドコバニ原発の受注の最終契約の見通しについて「100%断定することはできないが、(チェコにとって)韓国以外の代案はまったくない」と訪問の成果を誇った。しかし、安過ぎ受注批判に続き、大きな障害として浮上した米国ウェスティングハウスとの知識財産権をめぐる対立は、依然として解決できていない。
 尹大統領は19日(現地時間)に行われたチェコのペトル・パベル大統領との共同記者会見で、チェコの記者に知的財産権について問われ、「韓米政府は原発協力についての確固たる共感を互いに共有している」として「この問題はアラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原発の時のようにうまく解決できるだろう」と述べた。しかしハンギョレの報道を見ると、両社はまだ合意に至っておらず、ウェスティングハウスは来年下半期までに国際仲裁決定が下されるのは難しいとまで述べている。
 尹大統領が言及したバラカ原発の例は、2009年に韓国電力がウェスティングハウスから主要部品の供給を受けるという方式で合意を引き出したというもの。問題は、当時と今とでは状況がかなり異なるという点だ。当時はウェスティングハウスと事前に輸出協議が行われていたが、今回はそうではない。また、昨年4月の韓米首脳会談の共同声明には、原発協力について異例にも「各国の輸出規制規定と知識財産権を相互に尊重」するという文言が入っている。米国政府を背景にして、ウェスティングハウスがさらに厳しい要求を突き付けてくる可能性があるということだ。チェコが韓国にチェコ現地企業の原発建設への参加率を60%とするよう要求している状況で、ウェスティングハウスに合意金まで支払うことになれば、韓国の懐に入るものは多くないだろうと指摘されている。
 米日などの主要国の企業とは異なり、原発建設で経済性が確保できれば韓国の国家経済に役立つのは事実だ。しかし、チェコとの「100年を共に見通す原発同盟」、「『チーム・チェコリア』を結成して原発ルネサンスを共に成し遂げよう」という尹大統領の発言は行き過ぎだ。争点が解決されていない状態であるにもかかわらず、大統領が自ら過度な期待を植えつけると、駆け引きをすべき実務交渉で不利になりかねない。また、ウクライナ戦争を契機として一部の主要国が原発を改めて建設する傾向があるのは事実だが、かといって「原発ルネサンス(復興)」まで期待するのは時代錯誤だ。原発至上主義に陥り、再生可能エネルギーの拡充という世界的な潮流に取り残されてはならない。
(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-09-22 18:06


「The Hankyoreh」 2024-09-23 05:57
■尹大統領が「チェコ原発」に執着すれば韓国経済は四面楚歌
【ハンギョレS】チョン・ナムグの経済トーク 

 広がる経済悲観論 
 失業率1.9%、過去最低の「外華内貧」 
 賃金の伸びが不十分、家計消費の脆弱性 
 韓国銀行の利下げは不動産が足かせ 
 景気回復をけん引した半導体株が急落

【写真】5月、ソウル市江南区のコエックスで開かれたKBグッドジョブ優秀企業就職博覧会が参加者で賑わっている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国統計庁は9月11日、「8月雇用動向」を発表した。雇用率が前年同月対比0.2ポイント上がった69.8%、失業率は0.1ポイント下がった1.9%だという。統計庁の素っ気ない発表にいくつか強調したかったのか、雇用労働部が「参考」資料を出した。
 「15歳以上の雇用率(63.2%、+0.1p)・経済活動参加率(64.4%、0.0p)は過去最高、失業率(1.9%、-0.1p)は過去最低を記録した」。
 1.9%の失業率は「求職期間4週間」を基準に失業者を集計し始めた1999年6月以後の最低値だ。驚くべき数値だ。2011~2023年の韓国の平均失業率は3.47%、最も低かった年でも2.7%(2023年)だった。ところが1.9%とは、これよりさらに低くなることは果たして可能なのかと思うほどだ。
 米国では2021年10月のコロナパンデミックの時、相対的に規制を緩めたネブラスカ州の失業率が史上最低の1.9%を記録し話題になった。翌年2月には1.7%まで下がった。しかし、これは特別な時期に州単位で出た記録だ。米国の8月の失業率は4.2%だ。1%台の低い失業率は、タイのように労働人口のうち自営業者の割合が圧倒的に高い国など、いくつかの例外を除いては見当たらない。日本の7月の失業率も2.7%だ。
 そうであるなら1.9%の失業率は「太平歌」(テピョンガ、太平を謳歌する歌)を歌っても良いほどではないか。ところが、これに注目して大きく扱ったメディアはなかった。なぜか。数値がそうなだけで、雇用市場の好転はなかなか体感できないためだ。

◆安い短期・高齢者雇用だけが増える
 雇用率の上昇、失業率の下落は錯視ではない。実際、経済活動人口の増加幅(+11万4千人)より就業者数の増加幅(+12万3千人)の方が大きい。ところが就業増加の相当部分が政府予算を投入して作った「高齢者雇用」によるものだという点で色あせる。8月の統計を見れば、60歳以上の人口は昨年同月に比べて47万人増え、就業者数は23万1千人増えた。政府は今年の高齢者雇用事業の予算分を昨年の88万3千個より14万7千個多い103万個に増やして編成している。
 雇用率上昇の細部内訳を見れば、首をかしげるところがある。まず、男性雇用率が71.9%から71.3%へと0.6ポイント下がった。30代男性の雇用率が1.0ポイント下がり、50代も0.4ポイント下がった。60歳未満の男性雇用率は2022年7月が77.74%、2023年8月が77.67%、今年8月が77.64%と停滞状態だ。60歳以上の高齢者就業者の増加は男性が4万1千人、女性が19万1千人だ。
 短時間就業者の比重が継続的に大きくなり、週当り平均就業時間は減っている。今年8月には34.1時間で、昨年より1.5時間減った。1~8月の平均でも38.7時間から37.1時間に減少した。短時間働く高齢者の仕事から得られる所得は大きくない。高齢者貧困率が高い状況で、政府が財政を投入して高齢者の雇用を創り出すことは望ましく意味あることだが、それによる雇用率向上に比べて家計所得に及ぼす肯定的影響は制限的だ。
 実際、雇用率の数値が示す労働市場の活気に比べて賃金上昇率は高くない。雇用労働部の事業体労働力調査で今年上半期の賃金状況を見ると、勤労者1人当りの月平均賃金総額(403万2千ウォン=約43.6万円)は昨年に比べて2.4%(+9万4千ウォン=約1万円)の増加に止まった。2021年上半期の4.0%、2022年の5.8%に比べて低く、2023年(2.4%)と同水準だ。
 雇用好調にともなう家計賃金所得の増加、これに基づく消費の増加で内需が活気を帯びることを期待するが、そのような好循環は現れていない。統計庁が8月30日に発表した7月の産業活動動向を見ると、消費動向を示す小売販売額指数は昨年同月に比べて2.1%減少した。小売販売額指数は、個人と消費用商品を販売する2700社の販売額を調査したものだが、7月の指数は99.6だ。2000年を100とする指数なので、物量基準での小売販売水準が2000年にも及ばないという意味だ。
 内需沈滞が長期化しているが、韓国政府は政府財政支出を通じてこれを補完することは何が何でも拒否している。攻撃的減税で税収が貧弱になった状況で、財政支出の増加率を名目経済成長率より低く抑えている。今年の予算案はわずか2.8%増に絞っており、来年度予算案も3.2%増に抑えている。
 政府と与党は、市場金利が大きく上がり家計の元利金返済負担が大きくなっているだけに、内需回復に役立つよう韓国銀行が急いで基準金利を下げるよう圧力を加えてきた。国内消費者物価上昇率も8月に2.0%に下がり、米連邦準備制度理事会(FRB)も基準金利を0.5%下げて通貨政策の方向を転換しただけに、韓国銀行が金利を下げる条件はかなり整えられた。しかし、ソウルと首都圏の住宅価格が上昇し、これに便乗するための住宅担保融資が急膨張し、金融不均衡が大きくなっていることがネックだ。住宅価格の上昇は政府の積極的な政策融資が火付け役を果たした。

◆信頼していた半導体は株価暴落
 政府は世界の半導体の景気回復にともなう輸出増加で景気が本格好転すれば、その効果が経済全般に広がると期待している。実際、半導体の輸出は増加している。4月以降、4カ月連続で50%以上増加し、8月にも38.8%増加した。良くなったが、加速がついてはいない。その中で「半導体冬説」がすでに頭をもたげている。
 外国人投資家がサムスン電子とSKハイニックスの株式を投売りし、株価が急落している。米国の投資銀行モルガン・スタンレーは15日、人工知能(AI)による半導体好況は来年には崩れるだろうとし、ハイニックスの目標株価を26万ウォンから12万ウォンに下方修正した。モルガン・スタンレーは2021年8月にも「半導体の冬が来る」という誤った判断を示した報告書を出し、信頼性を疑われてはいるが、半導体景気に対する市場の憂慮が大きくなったことは否定しがたい。韓国の半導体生産額は国内総生産(GDP)の10%に達し、半導体輸出の割合は20%に達する。米商務省のアラン・エステベス産業安保次官は10日、韓国企業が作る高帯域幅メモリー(HBM)の中国に対する輸出統制の可能性に言及した。慎重な外交的対応が必要な部分だ。
 こうした中で尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は19日、4日間の日程でチェコを公式訪問した。尹大統領はロイター通信に「韓国水力原子力のチェコ新規原発建設受注が円滑に確定するようにすることが今回のチェコ訪問の目的の一部」とし「この事業の成功が何より重要だ」と明らかにした。経済使節団としてサムスン電子のイ・ジェヨン会長、大韓商工会議所のチェ・テウォン会長(SK会長)、現代自動車のチョン・ウィソン会長、LGのク・グァンモ会長からなる4大グループのトップが同行した。この日、SKハイニックスの株価は6.14%、サムスン電子は2.02%下落した。
チョン・ナムグ経済産業部先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-09-21 6:48


「The Hankyoreh」 2024-09-21 12:50
■尹大統領「チェコ原発受注」大言壮語したが…「知的財産権」ハードル越えられず
 韓国・チェコ首脳、協力の意志は確認 
 円満解決ではなく「協議進行」の雰囲気

【写真】尹錫悦大統領とチェコのペトル・パベル大統領が19日午後(現地時間)チェコのプラハ城で共同記者会見を開いた後、握手をしている=プラハ/ユン・ウンシク先任記者//ハンギョレ新聞社

 「原発セールス外交」のためにチェコを訪問した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は19日(現地時間)、チェコ大統領と首脳会談を行い、チェコの新規原発受注の障害として浮上した米国ウェスティングハウスとの知的財産権をめぐる対立は円満に解決されるとして自信を示した。
 尹大統領はこの日、プラハでチェコのペトル・パベル大統領と首脳会談を行った後、共同記者会見を開き、「知的財産権問題について、両国政府は原発での協力に確固たる共感を共有し、韓国政府も韓米企業間の円満な問題の解決を支援している」としたうえで、「アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原発のときのように、うまく解決できるだろう」と述べた。パベル大統領も「最終契約が締結される前であり、確実なことはない」としながらも、「紛争が成功裏に解決されることが有益であり、長引かせずに合意に至ることが両者にとって有利だ。この問題が成功裏に解決されると信じており、悪いシナリオもあるが、そのような可能性は高くない」と明言した。
 両国首脳が確固たる協力の意志を確認したことになるが、当初の韓国政府の期待には至っていないのではないかという見方も出ている。チェコ訪問前の大統領室からは、ウェスティングハウスの知的財産権問題や米国の輸出統制規範の遵守問題などに関する協議は終わったも同然だという話が出ており、尹大統領も首脳会談前の外信インタビューで「チェコの原発事業については心配しなくてもいい」と述べたためだ。しかし、実際に両国首脳の共同記者会見では、このような楽観論とは異なる「協議はまだ進行中」という雰囲気が垣間見られた。
 ある野党関係者は「今日の両国大統領の話によると、まだ協議中だと理解するのが正しい」として、「調べてみたところ、ウェスティングハウスが独自技術を持つ核心の機材と資材を韓国水力原子力(韓水原)が購入する方向でまだ交渉中で、金額は全工事費の20%の水準である2兆~3兆ウォン(約2200億円~3300億円)台だと聞いた」と述べた。野党の「共に民主党」と「祖国革新党」の議員22人もこれについて19日に記者会見で、「8月にアン・ドククン産業通商資源部長官が米国を訪問したが、米国を説得できずに手ぶらで帰国した。尹錫悦政権は米国政府と原発輸出を相談することさえできない状況に置かれている」と主張した。
 「具体的な話ができないのは、まだ協議中のため」(政府高官)だという説明だが、バラカ原発のときとは本質が異なる状況とみるべきだという指摘も出ている。事前にウェスティングハウスとは輸出協議が行われ、原発輸出市場の事情が今よりよかったバラカのときとは違うということだ。昨年4月に尹錫悦大統領が米国のジョー・バイデン大統領と発表した韓米首脳の声明は、このような状況をよりいっそう不利にさせた。
 「原子力安全と未来」イ・ジョンユン代表は「バラカのときは韓水原が一種の技術使用料を支払うことで紛争が妥結したが、今回のウェスティングハウスの知的財産権の問題は、単なる1企業の資産ではなく、米国の原子力法にともなう米国の原発の技術を米国の承認なしで輸出する過程で発生したこと」だとして、「韓米首脳声明で約束した『知的財産権を尊重』するという表現が持つ重量感は、単なる企業間の紛争を越える水準の話」だと述べた。
 「エネルギー転換フォーラム」のソク・グァンフン専門委員も「バラカのときは『原子力ルネサンス』が起きると判断し、ウェスティングハウスに一部のロイヤリティーを支払うことなどで損害をこうむっても、長期的には利益になるだろうという期待があった。しかし、韓米首脳声明で核拡散の危険領域を排除することになり、事実上中東市場を放棄してしまい、唯一残された市場である東欧をめぐり、韓水原とウェスティングハウスの競争が激化した。ウェスティングハウスにさらに大きな代価を支払う必要があるかもしれない」と指摘した。
パク・ギヨン記者、プラハ/チャン・ナレ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-09-21 00:28 


「The Hankyoreh」 2024-09-13 08:59
■「文政権時代に中止」した新ハヌル3、4号機の建設を許可…韓国「原発復活」本格化
 原子力安全委員会が決議

【写真】慶尚北道蔚珍郡の新ハヌル原発2号機の真向かいで、新ハヌル3、4号機の用地造成作業が進められている=韓国水力原子力提供//ハンギョレ新聞社

 原子力安全委員会(原安委)が、文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に建設が中止された慶尚北道蔚珍(ウルチン)の新ハヌル原子力発電所の3、4号機の建設を許可した。蔚珍に建設される9、10番目の原発となる新ハヌル3、4号機が完成すると、全国で稼動する発電用原子炉の数は30基となる。
 原安委は12日午前の会議で「新ハヌル3、4号機の建設許可」案件を決議したと明らかにした。韓国水力原子力(韓水原)が2016年に建設許可を申請してから8年たって、本格的な工事が許可されることになったのだ。韓水原によると、新ハヌル3号機は2031年、4号機は2032年から商業運転に入る計画だ。新ハヌル3、4号機は出力1400メガワットの加圧水型軽水炉(APR1400)で、現在運用中の新ハヌル1、2号機と基本設計は同じ。
 新ハヌル3、4号機の建設事業は、文在寅政権時代に「エネルギー転換ロードマップ」に則って中止された。しかし尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が2022年7月に建設事業の再開を宣言したことで、再び審査手続きがはじまった。昨年6月に政府は実施計画を承認。その後、原安委は位置、設備の技術基準、環境への影響、解体計画書、重大事故政策などを検討し、この日、建設許可決定を下した。韓国原子力安全技術院は、「原発の安全性に影響を与えるほどの地震および陥没などの地質学的災害は発見されておらず、津波などの可能性も低いため、用地の安全性は確保されている」と説明した。
 国内で新規原発建設が許可されたのは、2016年6月のセウル3、4号機(新古里5、6号機)以来8年3カ月ぶり。セウル3、4号機(来年完成予定)に続き、新ハヌル3、4号機まで完成すれば、韓国では計30基の原発が稼動することになる。政府は現在、2029年までに40年間の運用許可期間が終わる古里(コリ)、ハンビッ、ハヌル、月城(ウォルソン)の計10基の原子炉に対して、稼働延長手続きを進めている。産業通商資源部は今年6月の第11次電力需給基本計画実務案によって、3基の新規原発に加えてさらに小型モジュール原発(SMR)1基を建設する計画も明らかにしている。尹大統領が国政課題として掲げた「脱原発政策の廃棄および原子力産業エコシステムの強化」の一環だ。
 このように新規原発建設が本格化したことについて、市民団体「核から安全に暮らしたい蔚珍の人々」のイ・ギュボン代表はハンギョレに、「文在寅政権時代にロードマップに則って中止された事業なのに、政権が変わったからといってこのようにまたも推進されるのはとうてい理解できない。一つの敷地に10基の原発が密集して建設されるわけで、どうして安全だと断言できるのか分からない」と述べた。原発建設予定地から4キロほど離れた蔚珍郡竹辺里(チュクピョンニ)に住むチョン・ジョンニュルさん(53)は、「今の原発産業の腹を膨らませるために後代の魂を売る行為」だと語った。
オク・キウォン、チュ・ソンミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-09-12 12:19


「聯合ニュース」 2024.09.12 17:04
■前政権で中止の原発建設許可 「産業再飛躍のきっかけに」=韓国大統領室 
【ソウル聯合ニュース】韓国大統領室の成太胤(ソン・テユン)政策室長は12日の記者会見で、原子力安全委員会が新ハヌル原子力発電所3・4号機(慶尚北道蔚珍郡)の建設を許可したことについて「前政権の脱原発政策を破棄した尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権のエネルギー政策方向に従い、新規原発の建設に本格的に着手した」とし、「枯死寸前だった原発生態系を復元し、原発産業が再飛躍できるきっかけを作った」と評価した。   

会見を行う成太胤・大統領室政策室長=12日、ソウル(聯合ニュース)
 また、建設再開はクリーンで安定的な電力供給による人工知能(AI)など先端産業の発展と炭素排出量低減に寄与するだろうとした上で、韓国原発産業に対する対外信頼度を向上させ、チェコでの原発受注をはじめとする原発輸出にも寄与するだろうと説明した。
 2002年から推進され、発電事業許可まで受けた新ハヌル原発3・4号機は、文在寅(ムン・ジェイン)前政権の脱原発政策により17年10月に建設が中止された。今回の建設許可は、尹錫悦政権発足直後の22年7月に新たなエネルギー政策方向が閣議決定されてから初めての実質的かつ象徴的な措置となる。
 原発運営会社の韓国水力原子力は今月13日から基礎掘削工事に着手し、3号機は32年、4号機は33年までに完工する計画だ。 
 一方、新ハヌル原発3・4号機が完工しても送電インフラが不足する恐れがあるとの指摘に対し、大統領室の関係者は「遠距離の送電でも電力損失の少ない『高圧直流送電』ラインを26年までに建設する予定」として「このラインができれば送電の制約が完全に解消されるだろう」と説明した。  


「The Hankyoreh」 2024-09-06 07:56
■ウェスティングハウスの抗議、尹大統領訪問間近…韓国政府のチェコ原発問題解決策は
 知的財産権を主張するウェスティングハウスと「設備供給で協力の余地」

【写真】チェコの新規原発の予定場所のドコバニ原発団地=韓国水力原子力提供//ハンギョレ新聞社

 韓国政府は、チェコへの原発輸出の障害物として浮上した米ウェスティングハウスとの知的財産権での対立を解決するために、アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原発を受注した際と同様に、ウェスティングハウスと「設備供給などで協力する余地」があると明らかにした。今月の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領のチェコ訪問を控えて、一部の部品や設備をウェスティングハウスから購入する方式で対立を解決する案を公式に提示したということだ。
 5日、最大野党「共に民主党」のシン・ヨンデ議員が産業通商資源部(産業部)から得た答弁書によると、「ウェスティングハウス対応過程および法的紛争に関する現況資料等」に対する要請に、産業部は「現在の韓国電力・韓国水力原子力とウェスティングハウス間の知的財産権については立場の違いがあるが、アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原発の事例のように、設備供給などで協力する余地もある」と明らかにした。韓国水力原子力(韓水原)は7月、チェコのドコバニ地域に1000メガワット級の新規大型原発2基を建設する事業の優先交渉対象者に選ばれた。しかし、来年3月の本契約締結を控え、源泉技術を保有するウェスティングハウスが「知的財産権侵害」だとして、既存の米国の地裁に続き、最近になりチェコの反独占規制機関にも法的対応と陳情を提起し、対立が深まっている状態だ。尹大統領は今月中に4大グループのオーナーらとともにチェコを訪問する予定だ。
 この渦中に政府が対立を解決する案として、韓水原がウェスティングハウスから「設備の供給を受ける案」に言及したのだ。これに先立ち2009年、バラカ原発の輸出の際に主契約者だった韓国電力は、知的財産権侵害を問題にしたウェスティングハウスと、原子炉冷却材ポンプやタービンなどの主要な部品を供給する方式で合意に至ったことがある。原発業界では、バラカ原発プロジェクトの予算規模の186億ドル(約2兆7000億円)のうち20億ドル(約2900億円)前後の機材・資材費用がウェスティングハウスに支払われたと予想している。
 韓国がチェコに輸出する原発のモデルである「APR-1000」の知的財産権について、韓国とウェスティングハウスの意見は対立している。ウェスティングハウスは、自社技術を基盤としているためAPR-1000の知的財産権は自社にあると主張するが、韓水原は当原発の設計の重要コード、冷却材ポンプ、原発計測制御システムなどの3大核心技術をすべて国産化したとして、輸出には問題ないとする立場だ。ただし、ウェスティングハウスの知的財産権の主張について、韓水原と政府側は「問題が生じないよう交渉する」と述べるにとどめた。
 同日、国会答弁書について産業部は「両国の企業が法的紛争の代わりに様々な分野での協力を通じて、相互にウィン・ウィンとなる余地もあるという原則的な回答だった」としたうえで、「チェコの原発の細部の設備供給案は、韓水原とチェコの発注側との間の最終契約が行われた後に決める事案であり、現時点では決まっていない」と付け加えて立場を明らかにした。
 一方、チェコの反独占規制機関は、ウェスティングハウスが先月27日にAPR-1000の知的財産権が自社にあるとして提起した陳情について3日(現地時間)、公式の行政手続(調査)に着手したことを明らかにした。
オク・キウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-09-05 14:55


「中央日報日本語版」 2024.08.21 11:15
■中国原発100基超える、11基の建設を承認…相当数が黄海沿岸
 中国が過去最大となる11基の新規原発建設計画を承認し、「原発崛起」を加速化している。国営中国中央テレビによると、中国国務院常務委員会は19日に李強首相主宰で開いた会議で、新規原発11基を作る合計5件のプロジェクトを承認した。
 中国経済メディアの第一財経によると、中国3大国営原発企業がプロジェクトを進める。中国核工業グループ(CNNC)による江蘇省徐圩の1基、中国広東原発グループ(CGNPG)による広東省陸豊の1基、山東省招遠の1基、浙江省三澳の2基、国家電力投資グループ(CPI)による広西チワン族自治区白竜の1基が主要プロジェクトだ。
 合計11基の原発建設には最小2200億元(約4兆4872億円)以上が投入され、完工まで約5年かかる見通しという現地報道も出てきた。
 ブルームバーグは「今回の新規原発建設承認は年間最大規模。中国が炭素排出量を減らすために原子力発電にさらに依存して起きたこと」と伝えた。その上で「中国が2030年までにフランスと米国を抜いて世界で最も多くの原発を保有することになるだろう」と付け加えた。
 中国核エネルギー産業協会(CNEA)によると、中国では現在56基の原発が稼動中だ。米国の93基に続きフランスの56基と並ぶ世界2位の原発稼動国だ。中国では昨年まで合計38基の新規原発が建設承認を受けたり建設中だ。今回の新規原発建設計画まで合わせれば中国では合計100基を超える原発が建設されることになる。
 日本経済新聞によると、中国は2011年に日本の福島第1原発事故が発生してからしばらく新規原発を推進していなかったが、2019年から建設を再開した。2019~2021年に年間4~5基の新規原発建設を許可し、2022年と昨年にはそれぞれ10基を許可した。中国中信証券は報告書を通じ中国が今後3~5年間に毎年約10基の新規原発を承認するものと予想した。現在原発設備容量が全電力生産で占める割合は5%水準だが、2035年までに10%まで高める目標だ。
 中国当局は原発建設の意志を公開的に強調している。中国共産党中央委員会と国務院は最近発表した「経済社会発展の包括的なグリーン転換加速化に関する意見」という文書で、「沿海原発などクリーンエネルギー基地建設を加速化しなければならない」と明らかにした。
 第一財経は「中国が公式文書で原発建設に『加速化』という単語を明確に使ったのは福島原発事故後初めて」と指摘した。その上で複数の中国原発関係者の話として「今後数年間で中国は原子力発電の黄金時代を迎えるだろう。原子力発電は無炭素クリーンエネルギーであり、安定した電力供給を保障できる特性上、(中国が推進する)全面グリーン転換に代えられない役割を担うだろう」と付け加えた。
 一部では中国の原発崛起が韓国に及ぼす影響に対し懸念する。既存の原発だけでなく新規原発の相当数が黄海沿岸に建設されているためだ。


「東亞日報」 August. 21, 2024 10:05
■中国「原発11基を追加建設」、2030年に最大保有国
 中国は今年、5つの新規原発プロジェクトを承認し、計11基の原発を追加で建設することにした。最近、中国はグリーンエネルギーへの転換を名分に原発建設に拍車をかけており、2030年には世界最大の原発保有国になるという見通しが出ている。
 20日、国営新華社通信によると、李强首相は前日、国務院常務委員会を開き、「江蘇徐偉第1段階」など5つの原発プロジェクトを承認した。今回の決定を受け、中国は少なくとも2200億人民元(約41兆ウォン)をかけて、原発11基を追加で建設する予定だ。これは最近、中国が承認した新規原発の中で最も多い数値だ。
 中国は先月31日、「経済・社会発展の加速化と全面的なグリーン転換に関する意見」を通じて、2030年までに太陽光・風力・原子力など非化石エネルギーの消費の割合を約25%までに増やすと発表している。原発の場合、現在56基が稼動中であり、これを通じて中国全体の電気需要の5%を賄っている。中国はすでに原発38基を承認したか、追加建設しているが、今後も毎年10基程度を追加承認するというのが地元メディアの分析だ。ブルームバーグ通信は、「中国は2030年までに、フランスと米国を抜いて世界で最も多くの原発を保有することになるだろう」と見込んだ。
 中国は2011年、日本の福島原発事故以降、新規原発の建設を中断したが、2019年に再開した。2019年に6基、2022年と2023年は10基など、新規承認の規模を増やしている。中国が原発建設を増やすのは、低炭素エネルギー政策の目標達成だけでなく、エネルギー安保の側面も考慮したものだという分析が出ている。「ウクライナ戦争」と「ガザ地区戦争」等の影響でエネルギー価格が大幅に上がったうえ、人工知能(AI)のブームで半導体電力需要が継続的に大きく増えるほかはないためだ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「ロシア戦死者、7万人超に ... | トップ | 「韓国のフィリピン人家事管... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事