ICT工夫
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2008年12月4日に甲府市新庁舎計画の事業手法について、二つの記事を読みました。
読売新聞山梨版 甲府新市庁舎PFI断念 地元業者の保護優先
毎日新聞山梨版 甲府市:新庁舎の設計と施工別に PFI方式見送り
記者会見で発表されたと分かりましたが、記事の要点は下に引用しておきます。先日のブログ記事に書いたことです。

平成20年12月市長定例記者会見からまず「資料3 事業手法について (314.00 KB)」(PDFファイル)を確認しました。これは野中一二議員の記事で紹介された内容と同じ、抜粋と思います。市長は次のように発表されています。

『新庁舎建設について
(市長)
 新庁舎建設にあたりましては、設計に繋げるための詳細な計画であります「甲府市新庁舎建設基本計画」につきまして、現在、策定作業を進めているところであります。
 この基本計画の中で、大変重要な課題となっておりました事業手法の選定につきまして、本市としての一定の考え方がまとまりましたのでお知らせいたします。
 各手法を様々な視点から調査・検討を行った結果、各手法ともメリット・デメリットがありました。単にコストや効率性の面だけではなく、市庁舎の役割や特性、さらには事業が及ぼす経済効果などを、甲府市の現状を踏まえ総合的に判断をして、設計施工分離発注方式(従来方式の方式ですね、)を選定いたしました。
 市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。』

続いて、質疑応答を確認しました。

新庁舎建設について
(記者)  事業手法の選定にあたっての基本的な考え方で5項目が挙げられていますが、この中で、特に選定にあたって重要視された項目はありますか。というのは、例えばライフサイクルコストの縮減などを重要視するのであれば、検討された方式ではなく、PFIとか他の選択肢もあるかと思うのですけれど、その方式(設計施工分離発注方式)を選定されたということは、その他の4つの項目で重要視された項目があったかと思うのですけれど(いかがでしょうか)。
(宇野副市長) 今回、建て替える市庁舎の一番の特徴は、市民の皆様が利用される、多数の市民の皆様が来られるというところにあるのだと思っておりますので、市民サービスが確実に向上するということが、まず、第一義にあると思います。
 そういう中で、厳しい財政状況で、いかにコストを削減するかという発想になってきます。
 そういう意味でいきますと、事業手法選定にあたっての基本的な考え方に書いてある一つ目や二つ目のあたりが、まずここに出てきているのは、今、市民の皆様から意見を聴く場を市民会議を開いたり、懇話会を開いたりして、いろいろな方々からご意見をうかがっていますけれど、今後、徐々に一つ一つステップを踏むごとにいろいろな意見が出てくると思うのですが、そういったものを柔軟に反映させるということが、まずひとつ大事ではないか。ということと、それから、きちんと安全かつ確実に維持管理運営をしていくためには、行政自らやっていくということが、ひとつ重要なことではないかと思っています。
(記者)  それは、要は完成した後の運営も含めてということですか。
(宇野副市長) そうですね。

記者質問にある「事業手法の選定にあたっての基本的な考え方で5項目」はPDFファイルでも野中さんのホームページでも読めますが、更にその前提としては甲府市新庁舎建設基本方針があります。『第3 新庁舎の基本コンセプトとして、概ね次のコンセプトに配慮する。(1)市民の参画と協働の推進 (2)地方分権への取り組み (3)新たなまちづくりの拠点 (4)安全・安心の拠点 (5)ユニバーサルデザイン及び環境と共生の向上』
と書かれています。

PFI=地元企業に仕事が来ない、そういう前提で進んだ今回の結論ですが、宇野副市長のお答えからは含みを感じます。ハードだけでなくソフトもやれる甲府市民組織が作れないのか、市民が作り市民が運営して行政に使っていただく、この市民はボランティアではありません。ビジネスです。その中核組織には多数のNPO、ボランティア団体も加わるでしょう。子々孫々に伝えていくノウハウを育てながら市庁舎を市民が運営していくのです。たぶん前例が無い日本で初めての事業を甲府市民がやれたら素晴らしい。この組織に定年はありません、企業、公務のベテランの方々が退職された後どんどん参加なさればよい。年金がありますから人件費は少なくてもよい、その代りに達成する満足が報酬です。甲府市は自分達が運営しているのだという「市民の参画と協働」、実現できませんでしょうか。

(読売新聞の記事) 甲府市の宮島雅展市長は3日の定例記者会見で、2013年5月の完成を目指す新庁舎建設計画について、民間資金を活用するPFI方式は採用せず、設計や施工などを別々に発注する従来方式で行うと発表した。
PFI方式を採用する場合、数億円単位の資本金を出して特別目的会社を設立する必要があるため、大手ゼネコンなどでなければ参入が難しい。地元の建設業界は、公共事業の削減に景気後退が追い打ちをかけて、業績不振にあえいでいるため、市は地元企業が受注しやすい従来方式に決めた。

Public Finance です。そのパブリックの意味を活かした資金調達はできないのでしょうか。私はそれで先の記事では九段合同庁舎の信用中央金庫の文書にリンクしました。

(毎日新聞の記事)  市は民間資金を活用して設計、施工、管理を一括して発注するPFIの導入も検討したが、柔軟な設計変更が困難なため、従来通りの方式を選んだ。
市によると、従来方式は地元企業が参加しやすい。財源も合併特例債や補助金で賄えるため、民間資金を導入するPFIはメリットにならないという。

VFM の検討記事から 削減できる1%がメリットであることを市民は確認するべきと思います。記者会見で公開された資料からは4.VFM算定結果という肝心な部分が落ちています。
しかし昨日の記者会見の内容が今日Webページで読めるとは甲府市はやはり素晴らしいです。

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甲府新市庁舎PFI断念、公式発表と新聞記事にあった... (ひろ坊)
2008-12-04 23:52:31
甲府新市庁舎PFI断念、公式発表と新聞記事にあった。大きい視野で考えるならば今100年に一度あるかないかの経済情勢の中、甲府新市庁舎は凍結すべきだ。思考の三原則にあてはめて考える政治家、市会議員がいな。一、何事によらず、目先だけを考えないで、できるだけ長い目で見る。二、すべて物の一面だけを見るのではなく、できるだけ多面的に、できれば全面的にみる。三、すべて枝葉末節にとらわれないで根本的にみる。
 役所の仕事でなくせるものを考えてみるといっぱいある。まず窓口の仕事は、ほとんどのものがネットに置き換えられる。また許認可などは、利権や不正が生じないようにする為にも裁量の部分が無いほうがよい。そうするとほとんどコンピューター化できる。サービスの質を高め、コストを下げることが可能です。
 どうしても役人でなければいけない部分は何かを考えれば、プランニングの部分です。「この甲府市をこういうふうに変えて行きたい」と情熱を持って考え、行動する役人であってもらいたい。機械では出来ない企画立案でアイデアを出し、知恵を出し、さらによりよい行政サービスをしてもらいたい。それは、新市庁舎を建てることではない。新庁舎建設は、一時凍結し、現在の庁舎の免震化などの改修工事で十分です。その余った分(お金)で未来の為の投資をすることです。市民のためになる投資をすることです。
 
 
 
 
ひろ坊さん、コメントありがとうございます。 (ictkofu)
2008-12-05 09:25:34
ひろ坊さん、コメントありがとうございます。
甲府市庁舎建替え機運の最初のきっかけは地震がきたら危ないだったと思います。
資金の積立ては財政的な理由で進まなかったところ、中道町、上九一色村との合併で特例債が使えるようになり、
そして新庁舎計画は中心市街地活性化基本計画にも組み込まれたから財源の目処が立ったと理解しています、しかし、
http://blog.goo.ne.jp/bonkuraan/e/cd1a7ece9b4a6f1b32751704dc700547
やまなし・まちかど図鑑 には、「現市庁舎の設計者は構造力学の権威で関東大震災クラスの地震にも耐えられる」・・・などの事が書かれているのを私は読んでいます。仮に大地震で街が崩壊した中で新庁舎だけ残って何が出来るのかなという気もします。

来年1月から甲府市の電算システムが変更されることも含めて、今甲府市は変わる時に来たのだろうと思います。それだけに「市民の参画と協働」という言葉の意味を本気になって考える事が必要なのではないかという視点で新庁舎計画を考えている私です。
 
 
 
補足しておきます。 (ictkofu)
2008-12-06 15:30:40
補足しておきます。
ひろ坊さんがお書きになった「現在の庁舎の免震化などの改修工事」に関しては、2008.10.29 「甲府市役所庁舎のあり方懇話会」
http://ictkofu.blogzine.jp/kofu/2008/10/post_6ee3.html
この記事に匿名さんのコメントで以下のように書かれていました。

> 壁や床ににグラスファイバーの入った塗装をするだけで耐震強化出来る工法もある。古いマンションなどで行われている。現在の甲府市役所の3階までは、塔博士で有名な内藤多中の構造設計です。4階部分は増築部分です。現在の建物を免震・耐震補強して使えば十分です。新築する場合と比べ費用も5分の1、いや10分の1以下で出来るでしょう。

 
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