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東京地裁の判決(要旨)によれば、裁判は【西松建設事件】と【陸山会事件】の二つに分けて判断されていました。

【西松建設事件】 では「天の声」という表現が使われて、「声なき声」を思い出しましたが、歴史に残る判決になりました。

【陸山会事件】 では「天の声」を前提として1億円を裏献金する企業として水谷建設が「認定」されました。1億円を取り戻すにはどれくらいの利益を見込めば良いのか私にはわかりませんが、次回の「天の声」に備えて取り崩した裏金を補充しておくのも必要なはずです。落札率とそれに関係する二重帳簿のことは検察特捜が捜査済みだと思います。
公共事業の落札率が高いことを税金の無駄遣いだと言うだけでは意味がないですね。裏帳簿作成と「政治とカネ」の関係を調べる窓際太郎さんの活躍を期待せねばなりません。
談合はやはり大きな問題を含んでいたことに私はやっと気が付きました。しばしば言い訳に使われるような「必要悪」なのではなく、民主政治を破壊する「悪の根源」です。

以下は東京地裁陸山会判決に関して私が気が付いた記事です。判決肯定と批判の両面からお二人の記事にリンクしました。

上脇博之さんの論考
◇ 2011年09月27日、「陸山会」裁判の東京地裁判決について(1)
◇ 2011年09月29日、「陸山会」裁判の東京地裁判決について(2):「西松建設」違法献金事件
裁判資料を確認されて論じられています。
小沢一郎さん以外の政治家も関係した西松建設事件について詳しく書かれています。この記事では、「7.被告人大久保氏側の墓穴を掘った陳述と矛盾した弁明」 と 「9.私のとりあえずの感想」 がポイントかもしれません。「裁判は正義が勝つのでは無い、勝った方が正義だ」と、むかし聞いた言葉を思い出します。菅直人氏外国人献金事件のように「知らなかった」と言って「ゴメンナサイ」と返金すれば一件落着でしょうか。
 ちなみに宮崎 学さんのオフィシャルサイトで、2009年7月 からは、「西松建設が藤井孝男元運輸相側と林幹雄国家公安委員長側にダミー団体名義で献金していたとされる政治資金規正法違反容疑」について記録が読めます。

◇ 2011年10月02日、「陸山会」裁判の東京地裁判決について(3):土地取得をめぐる事件
(1)と(2)を踏まえて書かれています。これも裁判資料を確認されて論じられています。
 『この事件の全体像は、当初、ほとんどわかりませんでした。全体像がなんとなくわかるのは、元秘書ら3名が起訴された時ですが、それでも具体的な詳細はわからないままでした。事件の詳細がわかるのは、冒頭陳述要旨を読んでからでした。裏金の認定をするかどうか別にして、元秘書ら(同上)の「有罪」は確実と強く思ったのも、この時でした。これまでの経過を振り返りながら、この事件を取り上げて検討してみましょう。』 として、
 1.これまでの経過、
 2.元秘書3名の起訴事実、
 3.2つの4億円の借入・返済と不記載問題、
 4.元秘書らの認否意見と冒頭陳述(2011年2月7日)とそれへの感想、
 5.政治団体間の資金移動の不記載、虚偽記載についての被告人石川氏の主張とそれに対する感想
 6.いわゆる期ズレ問題についての被告人石川氏の陳述とそれに対する感想
 7.裏金の認定をしなくても元秘書らは十分「有罪」にできた!
この(7)が上脇さんの結論です。『小沢事務所と企業の癒着の問題については、次の投稿で取り上げます。』と書かれてこの記事は終り、(続く)です。

「1.これまでの経過」の記事中で、『私がマスコミによる検察のリーク情報以外で、事実関係の一部を知ることができたのは、・・・』と書かれています。「検察のリーク情報」という書き方をされて、なおかつ検察側を支持するような論考は読んだ事が無かったと思いますので、私は上脇さんの記事を参照したのです。
私は政治資金規正法はまるで理解していませんので、不記載、虚偽記載とか期ズレなどの言葉と実態との関係を法律に則って明確に理解できるものではありません。ですから、「7.裏金の認定をしなくても元秘書らは十分「有罪」にできた!」 という上脇さんの結論も、そういうことになるのか、という程度です。

私が小沢一郎事件を最初に記事にした時には、検察が「4億円不記載」として摘発したのが変だというのがスタートでした。2010.01.21 激震民主と「小沢」と「小澤」と、この記事で書いたことの私として最大のポイントは、『収支報告だけではわからないので貸借対照表、財産目録の年次推移も見る事が出来るなら普通のビジネスマンでもこういう組織の財務状況は判断できると思います。』  複式簿記の感覚、貸借対照表感覚が無い人々が混乱に混乱を重ねた問題が、小沢一郎さんの力を削ぎたいと考える人々に巧みに利用されていると私は考えています。
もしも、被告側が陸山会のこれまでの収支報告を踏まえた年次貸借対照表、財産目録を作成し、公認会計士の監査も経て、証拠として提出していたら、上脇さんの論考はどのようになるか、そんなことをふと思います。そういう財務諸表を見ると、企業会計を理解する一般の人々にも政治資金規正法の欠陥が見えて来るような気もします。

前の記事にコメントで書いたことですが、私が「政治とカネ」という問題を考える時に、
 1) 政治に金がかかるのは何故か、という最初の問題があり
 2) その金はどのように調達されるのか、されるべきなのか、という次の問題があり、
 3) 金がかかることを前提にして法的にもシステムが組まれて、
 4) 法律の定めに反する不正が無いように監視される、あれば裁かれる
というものだろうと思います。
(1) は私にはわかりません(^_^;)、選挙に金がかかるからだと言われれば、何故そうなるのかを調べねばなりません。インターネット選挙を解禁しないのは、金がかかるようにしておいた方が良いと思う人々がいるからかも知れないと、ネットオタクの私は思っています(^o^)
(2) はいわば人としての価値観、感情の問題だと思っています。この人に頑張って欲しい、活動にお金がかかるなら貧者の一灯を出しても良いと私は思います。しかし組織として金を出すなら、その組織は同じ政治理念の人々で構成されていると互いに確認した同志による組織でなければおかしいと思っています。
陸山会事件は(3)と(4)の問題だと思っていますので、その中に(1)や(2)の判断が紛れ込む事に私は違和感があります。 (1)や(2)について社会としての理想型を求めることは必要ですが、それは別な形で行なわれる事でしょう。
私は(3)のようなシステムを組む段階で徹底的に考察し、動き出して不具合があればシステムを見直すのが当然だと思いますが、そういうスタイルが通用しないのが政治や行政の世界なのだろうかといつも思っています。

陸山会東京地裁判決の批判は多数の記事があります、しかし、上脇さんが「是」とされたことを法律論的に反論するのは二審の弁護士さんの弁論に待たねばならないかも知れません。
あるいは、10月6日に始まる小沢一郎さんの裁判で同じ問題が審理されるなら、その時の検察側、弁護側の議論から見えて来るかも知れません。
山口一臣さんの論考は、私でもすらすら読める記事なのでリンクしておきます。
◇ 2011年10月2日、 陸山会裁判の判決要旨を読んで気がついたこと(1)
◇ 2011年10月3日、これが判決文コピペ事件だ!
◇ 2011年10月4日、陸山会裁判の判決要旨を読んで気がついたこと(2)

私は山口一臣さんの記事で 2009年7月4日に、新閣僚に「西松スキャンダル」発覚! をメモしてありました。


日本改造計画_小沢一郎著

私は2011.08.27に  「日本改造計画」実現不能でマスメディアお祭り騒ぎ の冒頭で以下のように書きました・・・10月6日初公判と報じられている小沢一郎さん事件、それに関係した陸山会裁判が由来する原点は「日本改造計画」という本、すなわち小沢一郎さんの政治理念とそれを実行できる可能性もある小沢一郎さんの優れた能力にあるのではないかと、私は思っています。

報じられることから観ると更新される民主党代表による、「日本改造計画」の実現可能性は消えたように思えます。

マスメディアが検察リークを垂れ流して仕掛けてきた国民洗脳が功を奏したと言えるでしょうか、世論は前原誠治・・・と報じるニュース・論評を笑いながら見ている私です。

マスメディアとそれを利用している内外の人々は「日本改造計画」的な政策が進む事を極度に警戒してきたようですから、なにはともあれ危機を脱したことで政局お祭り騒ぎにして報じているのだろうと思えます。国民は寝ていてくれた方が良い。

阿修羅の記事で 「新・日本改造計画」 の草稿があると伝えた週刊ポスト 平成22年9月17日号のことが書かれています。これについては、2010-09-07 傍観者の独り言 ブログ記事 もありますが、その後のことは知りません。
日々革新するから保守である 地球の自転速度は赤道で1700km/h だそうです(Wikipedia)。その速度で回っているから静止衛星は地表の我々から静止して見える。保守とは「動かざること山の如し」なのではないと私は考えています。小沢一郎さんの新著を読みたいと思っています。



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