昨日、山梨県警を訪問し、山本美保さんを山形のご遺体(Yさん)と断定した経緯の疑問について、説明を受けてきました。
荒木調査会代表、山下調査会理事他、美保さんの家族を支援する会のメンバー7人で訪問。警察側の対応は北村警備部長、五十嵐警備一課課長補佐、勝村警備一課係長、高野警備部長補佐の4人。北村警備部長が中心で説明がされました。
大部分は発表以降、県警からの弁明は基本的に変わっていません。しかし、昨日の説明では幾つか新しい話が出てきました。
① まず、DNA鑑定を行うとの説明の1回目・H15.4.26に家族に説明した内容
「美保さんと思われる遺体は2体ある。2体とも指紋も取れない遺体である。しかし、1体は骨髄の粉があるのでDNA鑑定は可能なので鑑定をしましょう。」と家族に説明したというのです。
※こんなに詳しく説明されておきながら、山下先生も家族も聞き逃すわけ無いという不思議さは増すばかりです。
② H14.11.13お母さんに電話してウェストサイズを聞いたら「64」と言った。Yさんと着衣の一部が一致したのでDNA鑑定に踏み切った。
※確かに美保さんとYさんの遺留品のサイズではっきりと一致するのはガードルのサイズで「64」です。
でも、この電話は家族の記録と食い違っています。「美保さんはどんなジーパンをはいて出かけましたか?」と聞かれ、「普通のジーパンです。ビッグジョンです。」と答えています。(Yさんの遺留品のジーパンはかなりデザインの凝ったジーパンだったため、当時の捜査官は遺留品の違いを確認できたはずです。)ガードルサイズの話など出ていないのです。
たとえサイズを聞いてきたとしても、何故、サイズの一致しない他の遺留品のサイズジーパン、ブラジャーについては聞かず、ガードルのサイズだけ聞いたのでしょうか。
③ 遺留品の確認の前にDNA鑑定をしたのは、お母さんの心労を考えたから。写真確認などの作業は精神的に辛くなり一度捜索願を取り下げた経緯がある。だから、お母さんへの配慮です。
※①のように「美保さんの可能性のある遺体が2体あり・・・これから山形のご遺体とDNA鑑定をしましょう・・・」という話をしたならば、写真確認の心労よりもはるかにきついショックです。
●「美保さんは山形のご遺体なのかもしれないと思ってDNA鑑定までやっていたのなら、何故捜査状況の説明時に≪手がかりなし≫と言うのですか」との質問に、「手がかりなしと言うのは、拉致問題として手がかりなし・・・と言ったんだと思います・・・」との返答。
●又、広報文になぜ「自殺」とだけ書いたのか?との質問には、まったく明確な答えは出ませんでした。
回答書を山本家に持ってきた際に同じ質問を当時の警備一課長・丸山潤氏にしたら「美保さんは拉致の可能性も、自殺やその他の可能性もあらゆる可能性があると思います。美保さんの拉致の可能性は周知の事なので「自殺」とだけ書きました。」ととても違和感のある答えだった・・・という話をした際、現県警担当者にもその丸山氏の本意を汲み取れないようでした。
予想はしていましたが、全く今回も納得の得られる回答はありませんでした。それどころか、新しく 出てきた話にさらに疑惑が深まるばかりです。
公務員の無謬性神話は既に崩壊していたのですが、それが多くの人々にはっきり見えたのが3.11でした。その3.11ストレス症候群というものがあるなら、私はそれに侵されているようで、毎日が体調不良、思考力低下・・・
ですから、その傷口を益々ひろげるようなこの問題にコメントは差し控えます。
一般論で言うなら、どんな小さなスパム投稿も、それを放置していると、いずれ自分のサイトが荒れ放題になり劣化するネットの現実は、リアル社会にも適用できるということです。公務員の無謬性神話から生み出される一つ一つを見届けていくことで、世の中をもう少しましなものにして次世代に引き継げるかなと考えています。