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週刊新潮、山梨も閲覧制限 高専生殺害事件記事

東京新聞西日本新聞 2006年09月12日 23時32分(配信は共同通信)

 山口県周南市の徳山工業高専生殺害事件で、死亡した容疑者の男子学生(19)の実名や顔写真を掲載した週刊新潮(7日発売)をめぐり、三重県立図書館(津市)のほかにも、山梨県立図書館(甲府市)が閲覧を一時制限していたことが、共同通信が12日午後、主な都道府県立図書館53館を対象にしたまとめで新たに分かった。

 三重県立図書館は、男子学生の遺体発見後に実名と顔写真を掲載した読売新聞の閲覧制限と合わせて、12日正午に制限を解除。「図書館が閲覧を制限できるのかとの問題提起もあり、解除した」としている。

 山梨県立図書館は、週刊新潮を7日は閲覧コーナーから撤去し、該当記事以外の記事はコピーで利用者に渡した。「少年法に配慮した」としている。8日に閲覧可能にした。


関連記事は、西日本新聞で9月12日付け、大阪府豊中市市立図書館、津市の三重県立図書館、奈良県香芝市の香芝市民図書館にもあり、『日本図書館協会(東京)の「図書館の自由に関する宣言」は、原則として特定資料の特別扱いや書架からの撤去・廃棄はしないと明記。同協会は新聞の閲覧制限を「聞いた事がない」としており、国民の「知る権利」もからみ各図書館の措置は議論を呼びそうだ。』

読売新聞の記事では、(2006年9月12日13時56分  読売新聞)(2006年9月13日1時39分  読売新聞)

三重県立図書館(津市)では、読売新聞が実名、顔写真を掲載した8日朝刊から、実名、顔写真の部分にシールを張った。若松徳義館長は「検閲ではなく、公的機関として少年法を破るわけにはいかないと考えた」と説明。この措置を当面続ける方針だったが、12日、県教育委員会と協議の上、正午になって制限を解除した。安田敏春・県教育長は「公立図書館として基本的にメディアを制限するのは好ましくない。協議の結果、不適切な措置だとの結論に達した」としている。
 津市の市立11図書館・室では、閲覧コーナーには置かず、「少年法に基づき並べていません。読みたい方はカウンターに申し出てください」との紙を張り、カウンターに申し出た人に限って対応。実名、顔写真はそのままだが、川瀬雅子・津図書館事務長は「少年法の理念に照らして、公立図書館として不特定多数の閲覧には適さないと判断した」としている。13日、改めて対応を検討する。
 奈良県香芝市の市民図書館も「少年法の趣旨に反している」と判断。通常、1週間分の新聞は棚に置いて自由に閲覧できるようになっているが、8日朝夕刊、9日朝刊は除かれ、カウンターで取り出してもらわないと見られない。該当記事には紙が張られている。
 一方、8日朝夕刊を翌9日になって閲覧させない措置を取った大阪府豊中市の市立9図書館。「少年法の趣旨から引き揚げ、取り扱いを検討している」とのおことわりを張り出し、9日朝刊には実名部分に付せんを張った。
 同市の図書館を統括する市立岡町図書館の谷垣笑子館長は12日に会見、「他の館長と電話で協議し、少年法の趣旨を尊重する上で閲覧を制限した。その後、報道各社の見解が分かれていると知り、各館長の会議で図書館側が判断すべきではないとの結論に達したため、10日以降は閲覧できるようにした」と説明した。
 大阪府箕面市の市立5図書館も、一時的に閲覧コーナーから引き揚げ、希望者には申請手続きを求めた。
 日本図書館協会の松岡要事務局長は、「図書館は言論の自由を守る役割がある。記事の内容は読者が議論すべきことだ。一般的に閲覧制限は検閲につながる。図書館は資料を提供し、国民の知る自由を後押ししなければいけない。記事内容の判断には、極めて慎重でなければいけない」と語る。
 鈴木秀美・大阪大大学院教授(憲法)も「容疑者が死亡した今回のケースは、実名報道でいいと思っている。情報を公共的に提供する図書館が報道の閲覧を制限するのは過剰反応で、もう少し慎重に判断すべきだった」と話す。
 千葉県の船橋市立図書館の職員が2001年、「新しい歴史教科書をつくる会」関係者らの著書を廃棄処分した例では、最高裁判決が「公立図書館職員が独断的な評価で図書を廃棄するのは、職務上の義務に反する」と判断。差し戻し後の高裁判決で市に賠償が命じられ、確定した。
 読売新聞東京本社広報部の話「閲覧制限は、図書館による検閲につながる行為で、公立図書館本来の役割から逸脱していると思います。報道内容がその通りに伝わらなければ、国民の知る権利は阻害されることになり、極めて遺憾です」 (2006年9月12日13時56分  読売新聞)

その他各紙を探してみた。日本経済新聞朝日新聞毎日新聞産経新聞にあった。
毎日新聞は『同事件では7日発売の週刊新潮が少年の実名と顔写真を掲載。遺体が発見され、少年と確認された同日以降、日本テレビやテレビ朝日などのほか読売新聞や週刊朝日が「少年の更生という見地がなくなった」などとして実名報道に踏み切った。』と報じているので、問題の性質が判断できた。
「少年法の趣旨」と一様に言ってはいても、その理解の程度が異なっていたら対応も異なる事になる。難しいのは人々の理解のレベルを高める事かも知れない、それはインターネットについても同じだ。

インターネットのホームページ閲覧におけるフィルタリングというテーマとの関連を考えているが、最初のフィルタを何処に置くかという点が、一番難しいように思う。山梨県立図書館が好きな私が、このブログ記事を書くということに、自分自身でフィルタはかけない、それが私の考え方だ。



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