湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

障リハ協「障害者IT支援セミナーII」に参加で締め

2006-12-18 06:51:38 | 引きこもり
日本障害者リハビリテーション協会の「障害者IT支援セミナーII」に参加してきました。会の目的と異なる私の目的が二つ。ひとつはDAISY の拡がりの紹介が河村宏さん(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)から紹介されないかという期待。これは、無念、はずれました。二点目はIT機器がノーマライゼーションの流れの中で、どう障碍の領域を越える媒介になっているかという事例への期待。これは同じく河村さんの発言にあった「自立と参加」という概念に沿って、「文化の共有と参加」という上部構造の融合に至るという部分。「生活の自立と共同」という水準達成と拡がりの確保の実践の中に重なりつつ育っていく部分をどうとらえるかという問題意識によるものでした。

結果からいえば当然ながら空振り。従来の障碍機能の補完という機能紹介を超えて、そこから何が生まれ、生み出しているかという部分がなかなか報告されない状態でした。作業療法士協会がやっと「IT研部会」を今年立ち上げたという状態で、OT参加は報告者の1名きりという厳しい状況でした。

報告の多くはITがどのような効果をもたらすかという障碍機能補完の線上にあって、関わる側の発見として、当事者の目への気づき(共感)が報告されたことが、ややはみだしていたというところ。(当事者との距離による視座の質の変化;観察・対話・共感)当事者のまなざしの発見と共有から、相互のつながりが深化したということ。しかし今回の話はそういう臨床の場を越えて、家族・友人との社会生活(会話・会食・談話・外出など)がどうサポートされ、立場の異なる(障碍の質の異なるという意味も含む)ひとたちとの交流が可能となるかという部分を引き寄せる話であったはず。そこが描かれなかったというのが、現状なのでしょう。

この会合は身体障碍が中心ということは分かっていましたが、知的・精神の領域からの発言は湯汲英史氏((社)発達協会王子クリニック言語聴覚士/精神保健福祉士)から出された報告が質が違っていた程度でした。湯汲氏はIQ36の自閉症児がゲームソフトをこなしていることや、外国への旅行を可能にしていることなどから、ITツールの介入によって、従来の尺度が使えなくなっていることをあげ、情報機器普及の時代に即した尺度が必要として、*歳には何々が可能となるという発達の古い段階論に戻ってしまうのが残念でした。ITを使うとこんなに知能が伸びるというしょうもない線に戻っていたのでした。

インターネットと交流の話も同業者経験交流に触れた程度で、あまり面白くなく、唯一、河村宏氏がシャープな論をたてていたのが印象に残りました。

河村氏は来年度、福祉PJ提案の講演に参加してもらえないかと交渉予定。中邑賢龍氏といい河村宏氏といい、技術畑から世界を眺めている方の仕事の知恵を来年度は拝借する予定です。

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横浜の研修は実質流れ。障碍者IT研修時の準指導者(有資格者の補助)養成のコースに応募していましたが、なんと会に参加したのは募集六名中の二名だけ。支払いは済ませてあったのでしっかりやってもらいましたが、当事者の方がトゥーレット症候群か四肢の不随意運動を伴う方だったために、私が想定する知的障碍、精神障碍、または発達障碍のコミュニケーションがとりにくい方のサポートとは場面が違ってしまったという問題が起きました。これについては、先方に参加決定時に先方に伝えてあったことなので、改めて場を作るという話で妥協しました。

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年末の落日は早く、午前中巡回謝罪した家庭が1件。研修を終えて海老名に出るころにはとっぷり夜もふけての感じ。喫茶店での指導中眠気。ノートに三次関数を描いていたというお笑い。相手のカフェオレをおごって、まさにお茶にごし。

帰宅後仮眠とって、「わーく」CM読本作成中なり。

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河村氏に挨拶。なんとも迷惑そうでした。失礼しました。

丸山さんたちのヒュースタの会も、参加者が少なかった模様。年の瀬です。しょうもないでしょう。

コメント
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