湘南オンラインフレネ日誌

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9/30藍染めと美術批評(生田緑地)あんどそーおん

2004-09-27 05:42:09 | フリースクール
 9月30日(木)に、小学生学齢の子と母親の4~5組の集まりで、川崎の生田緑地に行く。目的はふたつ。ひとつ目が伝統工芸館の「藍染め体験」、ふたつ目が岡本太郎美術館で行う「親子素人美術批評」(アメリア・アレナス流)の試みだ。この集団は「ぼけっと神奈川」なる不思議な集まりなのだが、ホーム・スクーリングや、港南中央で自前のシュタイナー風の学び実践をしていたり、湘南憧学校に参加していたりとアクティブな活動をされている。僕は知識の内在論を取らないので立場が違うのだが、そこに面白い実践の可能性があれば出前風に出かけていく。

 一緒に行ってみたいという方は、藍染めが予約制なので tobita@mbm.nifty.com (@を@に換えるべし)に連絡が必要だが、見学だけなら飛び込み可能。

 JR戸塚駅改札口9:30(雨天決行・10分程度待つ。ビニ袋・弁当持参)

地下鉄を使って湘南台経由で小田急「向ヶ丘遊園」(10:42着予定)に向かう。そこから徒歩20分ほどだ。

 「藍染め」は、ジーンズなどの染色に使われるインディゴに押されて姿を消している分、材料が高価になってきている。江戸時代の庶民の絣(かすり)の着物などに広く使われていた染料が姿を消していくのは、欧米の多様な染色衣料の進出によることや、藍のpH管理が厄介という事情によるものだ。現代では、藍染めは和服・趣味の工芸品の世界で生き残っているだけだ。

 染めの最中に色ががらりと変わっていく面白さだけでなく、手工芸の特徴である個別性、同じものはふたつとできないという特性が面白い。しかしこういう自作工芸ものは、プロの制作を見るべきだ。そのことによって、染めの可能性の視野がぐんと広がるからだ。実験風にひとりで茶碗のなかで染色することも可能だが、イメージに豊かさを持たせるには先達の作品を味わうべきだ。

 それは芸術に限ったことではなく工芸・技術そして知の世界全般にいえることだ。僕は染色作家の作品だけでなく、普及品製造の工程もみることをお勧めする。技術的な要所が見えるからだ。工程と表現から学ぶ、そういう真似を基にしたまなび(まねび)ということからすれば、日常生活からすれば「藍」は出会いにくい世界ではないか。一般的な草木染めではないのはなぜかというという問いも立つ。それは「藍」の美的な深みの素晴らしさが突出しているからだ。そして案外大事なのは、経験が一般的ではないこと。つまり独自性を持ちやすいことだ。自分の試みの価値が日常的なよどみに埋没する危険に距離をおけるからだ。初期の条件は案外これが大事なことになる。

 だから藍染めは、工房に出かけて工夫を重ねることになる。工房には他者という社会の小さな風が吹いている。それがまなびの根源になる。試みの場をつなぐために30日には、神奈川県下の工房について質問するつもりでいる。それは後日レポートする。当日は工房側で準備してくれるハンカチを使って体験染色をする。600円だそうだ。

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 もうひとつの狙いは「岡本太郎美術館」だ。今回は特集をしている。「こんな日本! ―岡本太郎が撮る×内藤正敏が撮る」だ。僕は岡本太郎の作風が実は好きではない。しかし子どもに対してなじみやすい作品であると思う。表現の奔放さや抽象に、通俗的な発想からも接触可能な手がかりがついているのだ。だから常設展の方では、事前に絞った作品について、親子であれこれ正解の無い批評の挑戦をしてみようと思う。小学生の場合、馴染んだ大人が入ったほうがいい。大人が触媒になって火がつく。

 そしてもうひとつは企画展の岡本太郎の目だ。死は生が物へとかえる道だ。しかしそれは突然やってくるものではない。死は老いの中に、生の影の中に育っていくものだ。それを展示写真群は引き寄せている。果たして「死」を小学生がどのように感じ取るか、難しいが誘導せずに語り合ってみようと思う。

 しかし、美術館の一元的な個人鑑賞、静粛強要スタイルは崩れないものかと思う。その作品の感じ取ったものを分かち合うことが抑圧されているのは、もう一工夫必要だと思う。例えば、曜日分けとか時間帯分けで、「おしゃべり解放」するというようなもの。キュレーターがリードできればそれに越したことないが、美術鑑賞は感じ取るものの再構成の過程でもあるのだ。背景と学術的な価値についての知識伝授はその一部でしかないのだから、運営はもっと柔軟に考えるべきなのだ。

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 昨日は茅ヶ崎市社会福祉協議会の福祉バザーに行ってきた。入口に辻堂駅前の共同作業所「楽案」の近藤さんがいらしたので、フォーラム祭の進展状況についてお知らせした。「楽庵」印の古代文字をアレンジした見事なカレンダーを買い求めた。近藤さんは素晴らしいセンスをしている。その美的な感覚を日常的に味わうことの出来る通所生の方は幸せだと思う。

 いくつかのブースを回ったが、屋内企画の難、一般見学者がやはり少ない。布の絵本のブースでは、創造的なデザインなのだが、用途としては昔からの手の巧緻作業の訓練用に使われる皮むきぬいぐるみ(バナナ・りんごなど)・ケーキぬいぐるみなどもあった。陶器もあちこちで販売されていた。しかし、日々の実践を外側から見ることができているのは、突き抜けて「楽庵」さんだけであったように思う。

 何人かのひとや、偶然であった市会議員の方に企画書を渡して、目的は一応やりとげて帰ってきた。

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 10月3日(日)は、TOTO茅ヶ崎工場敷地でバザーがある。僕らが参加している「子どもサポート・あねもね」がブースを出す。そこで配布する子どもフォーラム祭紹介のチラシを、得意の突貫工事で作り上げた。欲しいぞというひとには郵送する。80円切手を貼った封筒を同封して送ってくれれば返送する。16日には湘南教組の研究集会がある。そこでもこのチラシは配られる予定。16日当日は実行委員会の日なので、僕は参加しない。住所は、上記メールアドレスに問い合わせて欲しい。

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