日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

出番待ち 2

2016年04月17日 | 地域


 花見客も途絶え錦帯橋畔も久しぶり閑散とした日。錦帯橋の上流に架かる錦城橋のたもとにクレーン車の長いアームが伸びているのが遠くから見える。花見の時期が終わり駐車場で何かの工事が始まったかと、わざわざというか歩数稼ぎに錦帯橋を渡らずその方へ向かう。アームが少しも動く様子がない、なんだろうとこの年にしても興味がわく。

 アームから吊るされたロープの先端が見え始める。大型トラックの荷台に積まれている木造の船を吊り上げる準備中だった。バランスよく吊り上げるには、吊り上げる物を水平に上げる、それは現役のころプラント建設の現場で機器の吊り上げを見て知っている。それは荷となるものへのバランスの取れたロープ掛けをすることが肝心だということを。微調整を見ていると、ロープ掛けしていたとび職の右手が頭上でゆっくり回り始める。

 クレーン車のエンジン音が重く響き始めるとアームから伸びたロープがゆっくり巻かれ始める。船が荷台から浮くと、とび職の合図でアームがゆっくり左に旋回を始める。大きく手が回されるとエンジン音はもう一段高くなり船は空中を滑るように横移動すし台車に乗せられた。ロープ掛けとクレーン操縦の見事な仕事を久しぶりに見させてもらった。

 新造の船は錦帯橋鵜飼遊覧のやかた船。これから仕上げが行われるのだろう。錦帯橋の鵜飼は吉川広嘉の時代からというから400年近い歴史をもつ。烏帽子や腰蓑など古式豊かな衣装と巧みな手綱さばきで鵜を操りアユを獲って見せる。この新造船、篝火に映えて今夏の鵜飼を盛り上げてくれるだろう。
コメント
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