がん術後の定期検診、指示通り朝食抜きで病院へ急ぐ。諸検査を済ませ外来診療の受け付けに受診票を出す。ここは受付順に担当医の診察室へ入る、その時は名前でなく受診番号で呼ばれる。受付で「申し訳ありません。担当医は熊本へ応援に行っておりまして」と不在を告げ「代診でよろしいでしょうか」という。これまで出張のため予約日の変更が1度あったがそれ以外不在はない。
代診と言われ一息ついたが、検査結果を知りたい気持ち、それ以上に熊本地震の救援参加と聞いては返す言葉もなく「お願いします」と答える。待合室のテレビは地震状況の中継を交え多角的に伝えている。どの場面も状況がいい方向に向かっていないことを繰り返し伝える。避難されている人らの厳しい環境に加え地震関連死の発生も重い言葉で伝える。医療関係者の救援場面は流れなかった。
診察室に入る。経験豊富そうな医師が、代診であることを断った後に検査結果を丁寧に説明、これまでと変わらない検査・診断内容にほっとする。代診と聞いたとき、次回は術後満5年目の最後の検診だが、それはどうなると心配した。「次回の診察は」と予想していた日を告げられた。「主治医は、検査関係部門へ予約して熊本へ出かけた」と教えられる。地震は突然やってくる、その救援も突然のこと、しかし、出発までのあわただしい中でも患者のへの配慮を怠ることはなかった。
大災害の救援体制について、医療と医薬関係はこれまでの経験がよく生かされ、連携の取れた活動がされているというコメンテーターの説明があり、主治医もそんな中の一員で活躍しているのだと思った。震災地の苦労や被害を想うと、安心して検診を受けられることのありがたさに感謝した。