
小学校に入学した二男が下駄箱に着くと「学校はいやだ」と大泣きする。それを先生に託す母親の心境とそんな二男を支える長男の姿を書いた投稿を読んだ日の午後だった。黄色いカバーを掛けたちょっと大きめのランドセルを背負って下校する姿を見る。朝、泣いて親を困らせた様子など微塵ほども感じさせない楽しそうな会話が聞こえる。列の先頭には見守りの当番らしいお母さんが振り返りながら歩調を合わせている。そんな児童らの姿を見ながら九州へ思いが移る。
熊本県の小学1年生が「友達にあえない」と地震で休校になった寂しさを話していた。入学して10日あまり、学校という集団生活に溶けこみ始めたころの突然の休校、続発する大型地震、多くの人が避難している学校の状況ではいつ登校できかは誰にも分からない。危険な状況の中で登校させると、子どもを見送る親も心配な状態になる。避難生活の中で子どもらの心身を守ってあげてほしい。
避難所となった学校、その学校に籍を置く教師の活動を投稿で知った。学校を熟知している教師らは避難した人らへのサポートを惜しまずされているという。投稿者いわく警察・消防・自衛隊は救助任務を負っているが、教師の活動は自主的なものという。熊本地震では収束の見通しが立たずボランティア希望の受け付けもできない状態。そんな中で教師らのサポートは心強いだろうと推測する。
「バイバイ」、我が家の前の四つ角で3方向に散っていく児童の声と足音は下校時の見慣れた光景。時には立ち止まって相談らしきことも見かける。別れた後、ここからが昔と違う。今は宿題は後回しで習い事や塾に駆けつけていると聞く。下校しても解放されない子らが少しばかり気の毒だ。