毎月、「市民の防災意識の向上と注意喚起を図る」目的でポリスメールとして防災カレンダーが届く。それには当該月に発生した過去の災害が発生日別に記載されている。10月の記載で記憶にあるのは北海道東方沖地震、鳥取西部地震、ルース台風、有珠山泥流災害、酒田大火などがある。安政の大地震、鎌倉や日向灘地震など知らないことも多い。北海道のときは「池の水があふれている」と叔母から電話、鳥取の時は直後に訪れることあり液状化の被害に驚いた。
忘れられないのはルース台風。1951(昭和26)年10月14日、猛烈な暴風雨により錦川が増水し多くの被害をもたらした。その一つに臥龍橋の流失がある。この橋は錦帯橋の下流にあり、生活はもとより運輸交通のかなめだった。錦帯橋は前年のキジヤ台風で流失しており、川西と横山地区は孤立の状態だった。仮の橋が完成するまで渡し船が通勤や通学を助けことを思い出す。
自然災害は繰り返される。8月20日の広島市の土砂災害から2カ月がすぎ、復旧復興の計画が進んでいる。その災害を教訓にして法の改正も予定される。今後は開発のまえに人命優先の検討を徹底させる施策を願いたい。
東日本大震災でも言われたし広島の土砂災害でも繰り返されたのは「災害経験の伝承」だった。それは碑や石塚であったり、古い地名の由来などがあげられた。福島県の中学校で、津波のときは即座に山に向かって走るという訓練が継続されていて、東日本大震災ではその効果で全校生徒が命を守ったという。備えあれば、被害は軽減さるだろう。