日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

新しい手帳に

2014年10月22日 | エッセイサロン
2O14年10月22日 毎日新聞「男の気持ち」掲載

 定年退職は10月。その日、使い慣れた会社手帳から市販のものに変えた。すると何とも言えない新鮮さと、新たな道へ踏み出したという自覚が生まれた。これが「気分一新」か。それからは毎年この時期に翌年の手帳を購入する。

 1冊目のとき、白紙の手帳に家族の記念日や両親祖父母の命日などを記入した。その程度では予定欄は埋まらない。この先、埋まっていくのか心配した。

 その後、契約社員として勤務したり、誘われたり飛び込んだりして複数の趣味の会や団体に入会や参加をした。すると自然に予定欄が埋まり、退職日の心配は消えた。今は半年先の予定もちらほら。私的な予定を変更することもある。

 今年の手帳をパラパラと繰ってみる。大方は予定とその結果、災害発生などの覚え書きで、雑事に思えることが多い。そうは言っても人との約束は間違って迷惑をかけてはいけないと、心して書き込んでいる。

 そんな手帳が机の引き出しの奥に並んでいる。取り出して見ることはなく、保管する意味はない。そう思うが断捨離は忍びがたく、自分なりの跡が残ると思い、そのままにしている。会社人間だった。定年後、家でごろごろしているのではと妻は口にこそ出さなかったが心配していた。今は私の予定を確認してから頼みたい家事を言い出す。

 新しい手帳は15冊目。忘れ防止の相棒としてこれから1年、よろしく頼むよ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする