日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

上から

2014年10月25日 | 生活・ニュース


 頭の、木の、屋根の、山の、空の、の後に[「上」をつけて高い位置や高い場所をいいあらわす。ほかに地位や身分、人と人の関係、事柄の比較など同じ1字でも多様に使い分けている。上という字で思い浮かぶのは「天は人の上に人を作らず人の下に人を作らず」という子どものころ習った「学問のすすめ」にある福沢諭吉の言葉。現実には貴賤上下の差別は今も消えていないが。

 上に立つ人がしっかりしないと上を下への大騒ぎになる。上見ぬ鷲(わし)は上には上があることを知らずに振る舞う。他人の身の上の判断はするが自分の身の上は分からないことを易者(陰陽師)身の上知らず。頭の上の蝿も追われないのに上を行きたがる人。石の上にも3年、恥の上の損、目の上の瘤、役者が一枚上など、いい聞かせる上がある。最近は病気や老衰で家庭において逝くことを表す畳の上で死をのぞむ人が多い。

 金額はわずかだが使途明細が必要なので領収書発行を依頼した。最近はレジから買い上げ明細などと同時に領収書が発行されるので、めんどくさそうな顔はされない。担当印を押してお客様欄に上の字を書いてくれた。様は印字されているので「上様」となる。領収書ではよくあることで気にしないが、口に出して読むと時代劇で将軍へもの言う時の「上様」と同じ言い方になる。そうかお客様への丁寧語だと苦笑する。

 桜の紅葉は秋景色を代表する光景のひとつ。上から目線のつもりではないが、眼下の桜の木の紅葉が進み、早いのは落葉が進んでいる。その木は上の方から中ほどまですっかり葉を落とし、小枝が秋の陽に照らされ白い線をくっきりと描いている。落葉を観察したことはないが、上から散っている様子に、なにか自然さを感じた。薄くなった頭頂をなぜながら眺めている間に散る葉はなかった、自然のこころ使いだろうか。
コメント
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