日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

最強の浮世絵展

2014年07月05日 | 生活・ニュース


 「これぞ、最強の浮世絵展。国際浮世絵学会創立50周年記念『大浮世絵展』」が山口県立美術館で開催中。東京、名古屋に続く山口展ですが、これが観賞できる最後のチャンスとか。5月16日に始まったが7万人目の入場者に記念品が贈られたという報道。偶然その日に訪れたことが記念になった。80人に及ぶ浮世絵師たちによるおよそ350点が、作品替えをされながら展示される。訪れた日は152点の観賞ができた。

 美人、遊女、役者絵中心の前半の展示内容は素人目には同じように見え、素養のなさを嘆く。ただ、歌舞伎に造詣の深い方にはたまらない作品だろうと、解説を読みながら思った。作品保護のため照度を下げた明るさが作品の雰囲気を引き立て役をしている。

 写楽や北斎、広重といったよく目にする名前と作品の章に移ると目を開きなおした。北斎の三十六景、広重の五十三次などは古くは教科書で、今は写真でその作品を見ている。これがあの作品なのか、と足が止まる。そんな中で広重の「東海道五十三次之内 庄野 白雨」はスナップ写真のような絵だが、その中に引き込まれるようだった。

 その解説。「場所は現在の三重県鈴鹿市。白雨は夕立のこと。激しく打ち付ける雨や、手前から画面奥へとぼんやり霞んでいく竹藪、そして坂道。全てが斜めに構成され、急な雨がもたらす不安な感覚を劇的に表す」。細部まで緻密に仕上げられた絵筆に見入ってしまう。意外だったのは作品が小さいこと。想像していたよりはるかに小さい。小さいが大きく見える、そこが大家の作品の素晴らしさだろう。はがき随筆は252字、いつか大きく感じてもらえる作品を目指そう。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする