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井上ひさし『ロマンス』

2019年10月06日 23時38分47秒 | 文学
井上ひさし『ロマンス』(新潮社『井上ひさし全芝居 その七』所収)を読んだ。
チェーホフが主人公で、そのチェーホフの少年、青年、壮年、晩年を四人の俳優が演じるというのがおもしろそうだと思った。
やはり戯曲は、読んでもおもしろいとは言っても、演じるのを見てみたい気にさせるものだ。
トルストイが登場し、私の十二ヶ条のようなものを発表しようとするのだが、みんなも自分の何ヶ条かを勝手に発表しはじめてトルストイが発表できないあたりは実際に観ると笑えるところだろう。
チェーホフは自分の戯曲が演じられるのを見て、気に入らなかったというのは本当だろうか。ボードビルのつもりで書いたのにそうなっていないと不満に思っていたとこの戯曲では書かれていた。ボードビルになっていないとはつまり笑いが足りないということだと思うが、チェーホフの戯曲は可笑しいものなのだろうか。そんな記憶がない。
これを機会に、『かもめ』と『三人姉妹』くらいは再読してみようか、と思う。

今日書店で、是枝裕和の『こんな雨の日に』(文藝春秋)を立ち読みしたがとってもおもしろそうな本だった。
映画『真実』を作るまでのことが日記風に書かれているようだった(最初のほうしか読んでいないので分からない)。
「こんな雨の日に」というタイトルはもともと完成されずに終わった戯曲に付けられたタイトルで、その戯曲は舞台女優とその友人の妻の話になっていたようで、配役は若尾文子と樹木希林が考えられていたらしい。舞台女優が演じる芝居がレイモンド・カーヴァーの「大聖堂」で、なにからなにまで僕好みの芝居で、とてもおもしろそうだった。
この本はいつか読みたい。映画『真実』もいつか観るだろう。
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AIでよみがえる吉本隆明

2019年10月06日 20時43分44秒 | テレビ
会社でNHKの番組「AIでよみがえる美空ひばり」について語っているのを聞いて(私にではなく話が聞こえたということ)、気になったので再放送を録画して見た。
AIで美空ひばりの歌い方を再現して新曲を歌わせるというものだが、結局はAIがすごいのではなく、ヤマハの技術者がすごいというふうに見えた。AIは過去の情報から美空ひばりを再現できるが、歌い方のちょっとしたずれとかという美空ひばりの人間らしさはヤマハの技術者が細工をしなければならないようだった。
美空ひばりの外見の再現がいまいちな気もして、私などは歌を聴いても感動しなかった。
まだまだ難しいのだなと思った。

それでもAIで死んだ人があたかも生きているように動くというのは興味深い。
あのひとがいま生きていたらどうだろうか、というようなことを思うことはある。
例えば吉本隆明が生きていたら今の世の中についてどのように語るだろうかと思うことが結構ある。吉本隆明のAIがあったら、日々の出来事についての感想を聞くだろうなと思う。なにかを訊ねたら答えてくれる、吉本隆明でも小林秀雄でもいいが、AIがあったら良いなと思う。
過去の人の思いを想像する。でもまあそれが、本を読むということなのかもしれない。

テレビドラマ「時効警察」は十二年ぶりの復活で、ちょっとおもしろくなくなってるだろうなと思って見たが、そのまんまの印象だった。すばらしい。
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井上ひさし『私はだれでしょう』

2019年10月05日 22時19分03秒 | 文学
井上ひさし『私はだれでしょう』(新潮社『井上ひさし全芝居 その七』所収)を読んだ。
GHQ占領下のラジオ放送局の話。
記憶をなくした青年が誰であるのかを放送を通じて探すという話で、とってもおもしろそうなのだが、あらすじで期待するほどはおもしろくなかった。
この時代の井上ひさしの戯曲が私に合っていないのか、だいぶ読んだので飽きてしまったのか、どちらかだろう。
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岸見一郎 ・古賀史健『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』

2019年10月04日 22時24分35秒 | 文学
岸見一郎 ・古賀史健『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(ダイヤモンド社)を図書館で借りて読んだ。
少し前に流行って気になったのだが、図書館の予約が一杯でやっとブームが去ってから読めた。
これはとてもすごい本で、ほんとうは何度も読むべき本だと思った。これまで聞いたことのないような話がたくさん書かれていて、聞いたことのない考えなのですぐに忘れてしまう。しかしとても気になる話だった。
哲学者と青年の対話篇になっていて、それで読みやすいところもあるのだがまどろっこしいところもあり、特に青年が急に憤慨したり物わかりが良くなったりするのが嫌だった。
アドラーの考えは勉強する必要があると思った。
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井上ひさし『箱根強羅ホテル』

2019年10月01日 22時31分35秒 | 文学
井上ひさし『箱根強羅ホテル』(新潮社『井上ひさし全芝居 その七』所収)を読んだ。
読むのは分かりにくい戯曲だった。
『紙屋町さくらホテル』がおもしろかったので、同じようにおもしろいことを期待したがおもしろくなかった。残念。
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