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パオロ・マッツァリーノ『エラい人にはウソがある 論語好きの孔子知らず』

2016年07月25日 23時24分12秒 | 文学
パオロ・マッツァリーノ『エラい人にはウソがある 論語好きの孔子知らず』(さくら舎)を図書館で借りて読んだ。
『論語』にはあまり感心した記憶がないので、この本はとても楽しく読めた。
孔子を立派な人物ではなかったのではないかという観点から書かれてある。タレントの出川哲朗のようなキャラクターの人物だったのではないかというふうに書かれている。その他にも「アメトーーク!」をよく見ているんだろうなと思うところが多かった。
孔子は実は立派な人物ではなくて弱虫なのに、後の時代の人間が立派な人物に仕立て上げてしまったという話は、遠藤周作の描くイエス像によく似ている。たぶん、そのようなこと(後付けで立派な人物になってしまうこと)はあるだろうなとは思う。しかしこのようなものの見方は小林秀雄的ではないなと思う。小林秀雄的でなければならないということはないが、小林秀雄には気に入らない考え方だろうなと思う。どちらが得るものが大きいかと考えたときに、小林秀雄的なほうが得るものが大きいのではないかと思う。
この本を読んでも『論語』を読もうという気にはならなかった。いつか、小林秀雄の『考えるヒント』か何かを読んで『論語』を読んだことがある。

おもしろいとは思ったが、ところどころで「ちょっと言い過ぎだな」と思うことはあった。
何かを言った後に、さらに何かを言って重ねる感じが、頭の良すぎる人か、あるいは口の達者な子供のような感じで(どちらも私は好きではないのだが)、もう周りのひとはちょっともういいよ、言い過ぎじゃない? と感じるようなそんな雰囲気があった。それは個人の感覚なのでもちろんそんな風には思わない人もいるだろうが、私はそのように感じるところが少なくとも2カ所はあった。
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青山南編訳『作家はどうやって小説を書くのか、じっくり聞いてみよう!(パリ・レヴュー・インタヴュー I)』

2016年07月25日 22時08分41秒 | 文学
青山南編訳『作家はどうやって小説を書くのか、じっくり聞いてみよう!(パリ・レヴュー・インタヴュー I)』(岩波書店)を図書館で借りて読んだ。
最初に出てくる、イサク・ディネセンに興味を持った。
彼女の『アフリカの日々』を読んでみたいが、ちょっと買って読むほどではないので読まないだろう。図書館で借りて読むような本でもない気がする。映画『愛と哀しみの果て』はこの本をもとにしたものらしいが、「愛と哀しみの果て」などというタイトルの映画をこれまで見ようと思ったことがないので見ていない。ロバート・レッドフォードには惹かれないが、メリル・ストリープには興味があるのでいつか見てみてもいい。
イサク・ディネセンのほかには惹かれる作家はいなかった。
ヘミングウェイがよく言及されるので、ヘミングウェイに興味を持った。フォークナーやフィッツジェラルドよりもよく出てきたように思う。
日本の作家にインタビューしたら誰の名前がよく登場するだろうか。夏目漱石か太宰治だろうか。志賀直哉ではない気がする。なんとなく、ヘミングウェイは日本文学では志賀直哉に当たる気がするので(個人の意見です)、ヘミングウェイの人気がちょっと意外だった。

やはりどういうものを書いている作家か分かっている人のインタビューでなければ興味を失ってしまう。
この本に登場した作家で、少しでも読んだことがあったのは、トルーマン・カポーティとホルヘ・ルイス・ボルヘスとジェームズ・ボールドウィンとトニ・モリスンだったが、いずれも好きな作家ではない。読んだ本の内容をすっかり忘れている。
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