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谷崎潤一郎『陰翳礼讃』、「ごちそうさん」

2013年11月09日 21時30分51秒 | 文学
谷崎潤一郎『陰翳礼讃』(中公文庫)読了。
電気の話のほかに、恋愛の話と旅の話とトイレの話があった。
べつにおもしろくないこともないが、おもしろいこともなく、平野啓一郎がこの本のどこが好きなのかよくわからない。

べつにおもしろくないこともないが、おもしろいこともなく、と言えばNHKの朝ドラ「ごちそうさん」をまだ一応見ている。
今週は風邪をひいてしまって熱があり、家にいて時間はあったのだが見る気がせず、昨日今週分をまとめて見た。体力がないと主人公と一緒に辛抱することができない。なんでキムラ緑子はあんなに意地が悪いのだろう。思えばずっと昔から朝ドラは理不尽ないじめに耐える女の一生を描くものだったのだなということを身に沁みている。私はあまり辛抱できないほうなので、そのうち見なくなるかもしれないな、と思っている。このあと太平洋戦争もあるわけだし。
毎週楽しみに見ていた「あまちゃん」は例外だったのだ。
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スティーヴンスン『新アラビア夜話』、谷崎潤一郎「陰翳礼讃」

2013年11月03日 21時31分42秒 | 文学
スティーヴンスン『新アラビア夜話』(光文社古典新訳文庫)読了。
夏目漱石の『彼岸過迄』に登場し、書き方を真似しているようだったので読んでみた。
短編集なのだが話はつながっていて、ボヘミアのフロリゼル王子が中心人物として存在している、という形式だった。
もっとわくわくする話かと期待していた。

谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」を読んだ。
日本家屋に電灯は似合わないという論旨のエッセーだった。
うす暗い中でこそ日本の美は生きるというような内容で、ちょっと前にテレビで爆笑問題の番組に出た高畑勲が語っていたことを思い出した。新作の映画『かぐや姫の物語』は隅から隅まで描かないようにしているらしい。これは谷崎潤一郎の言っていることと同じで、蝋燭のあかりでうすぼんやりとしか照らされない日本の美を描いているのかもしれない。均一な光で隅から隅まで見えるというのは西洋的な神の視線で、『かぐや姫の物語』はその場にいる誰かが語っている雰囲気がよく出ているのかもしれない。番組ではやっとこの試みができた、というような説明のされ方だったが、『ホーホケキョ となりの山田くん』でも同じような試みをしていた気がする。
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ミステリー、大江健三郎、丸谷才一

2013年11月03日 00時43分52秒 | 文学
年末が近くなると、毎年のことだがミステリーが読みたくなる。
岡嶋二人の『99%の誘拐』は退屈はしなかったが、びっくり仰天はしなかったので、もっと驚くものが読みたい。
いま目をつけているのは、歌野晶午の『密室殺人ゲーム王手飛車取り』と『密室殺人ゲーム2.0』と、綾辻行人の『十角館の殺人』とそのシリーズ。
『十角館の殺人』は昔読んだが、おもしろかったと思うのに内容を全く忘れている。

大江健三郎の新作『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』がものすごく気になっている。
あらすじが相変わらずわけがわからなくておもしろそう。
主人公の作家がみんなから責められる感じがおもしろそう。
でもその前に『水死』を読まないといけない。
文庫版の『大江健三郎 作家自身を語る』には『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』についてのインタビューが入るようなので、さらに惹かれる。

丸谷才一の全集が出ているようで、やっぱり丸谷才一って力があるなと思う。
丸谷才一の小説でもちょっと読んでみようかという気分になる。
同じ時期に死んだ吉本隆明にはそんな話はないのに、と書こうとして調べたら晶文社が出そうとしていることを知り驚いた。
どちらの全集も買うことないけれど、本屋ではちら見すると思う。
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岡嶋二人『99%の誘拐』

2013年11月02日 23時04分20秒 | 文学
岡嶋二人『99%の誘拐』(講談社文庫)。
ちょっとミステリーが読みたくなって古本屋で購入。
途中から犯人はわかってしまう話で、最後にどんでんがえしがあるわけではなく、すこし物足りなく感じた。
刑事から三万円借りる場面があるが、なんでこのような場面を入れたのかわからない。このお金が犯人逮捕のきっかけにでもなるのかと思えば、そんなこともなかった。「99%の誘拐」というタイトルの意味もわからない。
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半藤一利『安吾さんの太平洋戦争』

2013年11月01日 00時20分13秒 | 文学
半藤一利『安吾さんの太平洋戦争』(PHP文庫)を読んだ。
最後の「<付録>偽作『安吾巷談』靖国の神々」は読めなかった。途中もあまり読めていない。
坂口安吾が太平洋戦争のときにどのように生きたのかがもっとくわしくわかるかと思ったがよくわからなかった。半藤一利が坂口安吾を「なぜか」大好きなのはわかったが、坂口安吾のどこに惹かれているのかはわからなかった。若いころに接点があったからということなのだろう。そんなに贔屓目に見なくてもいいのにな、と思うところが何か所かあった。
私自身に坂口安吾に対する思い入れがないせいかもしれない。太宰治と小林秀雄の付近にいた人、「堕落論」の人、という以上の知識がない。
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