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永井愛作・演出『鴎外の怪談』

2016年09月23日 22時15分07秒 | 舞台
ずうっと前にテレビで放送したのを録画していた永井愛作・演出の舞台『鴎外の怪談』を風邪を引いて寝ていたので見た。
ひさしぶりに舞台を見るがとてもおもしろかった。
大逆事件が森鴎外にどのように影響を与えたかが描かれている。永井荷風にも影響を与えた。永井荷風が戯作者を自称し始めたのはこの事件がきっかけだったということを知った。
森鴎外が妻と母親の対立に苦労していたというのは知っていたが、山縣有朋に呼ばれて大逆事件についての相談会に出席し、そこで何も発言しなかったために幸徳秋水らが死刑になってしまった。そのことを悔いているというような話は全く知らない。何も発言しないことが政治的な意思表明を結局はすることになってしまうという話は、このところよく聞く話で、とても今の時代をとらえた舞台だと思った。
だから、政治的な意見をきちんと表明すべきである、とそんな話にもなっていない。
永井愛はすばらしい。

賀古鶴所は鴎外の伝記などを読んでいると(といってあんまり読んだことはないのだが)、たまに出てくるがこんなふうなおじさんか、と印象が悪くなった。
たぶん賀古鶴所について今後研究することはないだろうからこの印象は一生変わらないだろう。
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