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谷崎潤一郎『陰翳礼讃・文章読本』

2021年01月24日 16時49分53秒 | 文学
谷崎潤一郎『陰翳礼讃・文章読本』(新潮文庫)を読んだ。

「陰翳礼讃」
ずっと昔に読んだことがあるが、まるで覚えていなかった。
NHKでこの「陰翳礼讃」を8Kの”美しい映像”で再現したものを録画してあるのでそのために読み、番組も半分くらい見た。
もともとは8Kの”美しい映像”なのだが、それを普通の4Kでも8Kでもない放送で流したもの。4Kとか8Kとかしばらく前から言っているが興味を持っているひとがいるのだろうか、と不思議に思う。私は地デジで充分です。
それで、「陰翳礼讃」なのだが、谷崎は厠(トイレ)の話をものすごく熱心にしていて、トイレのにおいの話をわりとしている。水洗便所ではなく、便器の闇に消える大便に思いを馳せている。便器についても語っている。
ここまでトイレについて語られた文章を知らない。
NHKの8Kの番組は、厠の建物を外から映した映像でごまかしているようだが、ほんとうに谷崎の意図を酌むのであれば、便器の闇を8Kの”美しい映像”で撮影すべきだろう。
トイレが汚いという固定観念から逃れられていない。

「厠のいろいろ」
またトイレの話。

「文房具漫談」
文房具の話。谷崎は毛筆で書く。間違ったら毛筆で黒く塗りつぶす。

「岡本にて」
関西移住について。

「文章読本」
言葉遣いが変わってしまっているので、いまでは理解できないし使えないと思うようなこともあったが、基本的には谷崎潤一郎の言っていることは正しいと思えることが多かった。
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