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オースン・スコット・カード『無伴奏ソナタ〔新訳版〕』

2020年02月21日 19時22分16秒 | 文学
オースン・スコット・カード『無伴奏ソナタ〔新訳版〕』(ハヤカワ文庫SF)を読んだ。

「エンダーのゲーム」
スポ根ものをSF風味で書いた小説だなと思い、あまりおもしろくなかった。
こりゃ僕にはあわないなと感じた。他の小説もそうならば、表題作だけ読んで終わりにするか、と思った。

「王の食肉」
これがすごかった。
〈羊飼い〉が殺さずに人間の肉体を取り、王の食事にする話。

「深呼吸」
人々の呼吸が合い始めると、危険という話。
おもしろい。

「タイムリッド」
おもしろかった。
過去に行って死を体験してくる人たちの話。それに翻弄される過去の人。
オチがわかりにくい。

「ブルーな遺伝子を身につけて」
地球に帰還したら地球人は地下に暮らして、体も小さくなっていた。ロシア人と闘っているつもりだったが、すでにロシア人はいなかった。
生き残るために子孫の形態をバクテリアのようなものに変えてしまっていた。
というすごい話だった。

「四階共用トイレの悪夢」
赤ん坊の怪物が気色悪すぎる。
強烈。

「死すべき神々」
不死のエイリアンの話。

「解放の時」
行ったり来たりでよくわからない。
家の書斎に棺があるというのがすごい風景だと思った。
結局子供はいるのかいないのか。いたということなんだろうな。

「アグネスとヘクトルたちの物語」
SFは初めルールがわからなくて、ルールがわかったら終わりみたいな話があるが、そんな話。
長いが、あまり好きな話ではない。

「磁器のサラマンダー」
磁器のサラマンダーには心がなくて、呪いを解くために最後は壊される。
短いが、好きな話ではあった。

「無伴奏ソナタ」
この短篇が目当てでこの本を読んでいたのだが、予想とは違う話だった。
もっとピアノ演奏をする話かと思っていた。
近未来ディストピアの話だった。
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