ダブログ宣言!

ひとりでするのがブログなら、
ふたりでするのがダブログ。

岸田秀『ものぐさ精神分析 増補新版』

2024年04月12日 00時20分42秒 | 文学
岸田秀『ものぐさ精神分析 増補新版』(中公文庫)を読んだ。
二十代の頃に読んでかなり影響を受けたと思うが、最近読み返したくなっていてちょうど増補新版が出たので読んだ。
なつかしく、たいへんおもしろく読んだ。
おそらく男の子のほうがそのように思うのではないかと思うが、自分の性欲がちょっと異常なのではないかと思っているようなときに、「人間の本能は壊れている。みんな異常。」というように言われるとたいへん救われるというようなことがあると思う。私がおかしいのは私のせいではないし、私だけがおかしいわけではない。
「わたしの原点」を読んで、私も自分の母親に抑えつけられてきたのだなと思ったように思う。
いま思えばこれは多分、かなり多くの人たちに共通することなのではないか。母親というのはそもそもその気もなくて子どもを抑圧するものではないか。抑圧すると言うか、そのようにしか育てられないのではないかと思う。育てるということが抑圧するということではないかと思う。
自分の妻が娘を育てているのを見てもそう思う。そう言っているからと言って、私に他にうまく子どもを育てる考えがあるというわけではない。
抑圧して子どもを成長させ、ある程度のところで子どもがその抑圧から逃れるという方法しかないのではないかと思っている。
コメント    この記事についてブログを書く
« 朴性厚監督『劇場版 呪術廻戦... | トップ | 江藤淳『なつかしい本の話』 »

コメントを投稿

文学」カテゴリの最新記事