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チェーホフ『馬のような名字 チェーホフ傑作選』

2024年03月16日 14時08分22秒 | 文学
チェーホフ『馬のような名字 チェーホフ傑作選』(河出文庫)を読む。

「馬のような名字」
ウマノフ、ウマニコフ、メイバコフなど、次々と馬のつくロシア風の名前が登場するが原文とは全く違うのだろう。ロシア語では馬は何というのか知らないが、こういうふうにしか日本語には訳せないだろう。おもしろい。

「小役人の死」
しつこいし腹が立つけど、まさか死ぬとは。

「太っちょとやせっぽち」
階級がわかった途端に態度が変わる。

「カメレオン」
誰の飼い犬かで右往左往する。

「かき」
牡蠣がどんなものだかわからないままに牡蠣を食べた少年の話。貧乏。物乞いのはなし。

「ふさぎの虫」
息子を亡くした深い悲しみを、誰も聞いてくれず馬に話す。

「悪ふざけ」
耳元で語る。

「ワーニカ」
かわいそうな少年の話。

「ねむい」
眠いときの感じがよく描けている。最後は恐ろしい。

「恐怖(私の友人の話)」
夏目漱石とか谷崎潤一郎が描きそうな、日本文学的な、好きな語りだった。
友人の奥さんが好きな男の話。
しかし最後がチェーホフ的でよくわからない。チェーホフは話の結末に特徴があるのだろう。そしてそこに私は慣れることができない。

「ロスチャイルドのバイオリン」
奥さんにやさしくしなかったことを後悔するところが胸に沁みる。
私もそんな公開をしないように気をつけねばと肝に銘じたい。
やはりチェーホフは話の終わり方が独特で、そこに慣れない感じがする。彼は素直な終わり方が嫌いなのかもしれない。

「学生」
新約聖書の話が、わりとそのまま語られて、それで終わる。

「箱に入った男」
規則に雁字搦めになった男が死ぬが、それでもまだ規則に雁字搦めのひとはいる。

「ある往診での出来事」
なにか実態のない不安を抱えている人がいて、その前をただ通り過ぎたというような話。

「かわいいひと」
愛する人ができるとその人の意見を自分の意見にしてしまう女の話。

「いいなずけ」
ある男に吹き込まれて、いいなずけから別の土地へ逃げる女。ある男は病で死ぬ。

「結婚披露宴 一幕の喜劇」
結婚披露宴に連れてこられた退役軍人。退屈な挨拶をするが、お金はもらってない。

「創立記念日 一幕の喜劇」
いろいろなひとがひっかきまわしておもしろい。
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