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清涼院流水『社会人英語部の衝撃』

2016年10月03日 22時15分07秒 | 文学
清涼院流水『社会人英語部の衝撃』(KADOKAWA)を図書館で借りて読む。
著者が社会人英語部の仲間たちとTOEICのテストを受け続けて、990点満点を取るまでが小説風に書かれている。
清涼院流水というひとの本を僕は読むのは初めてなのだが、推理小説家らしい書き方をしていた。ほんとうに、密室でひとが殺されなかったのが不思議なくらい本格ミステリーを思わせる書き方だった。どうしてそんなふうな印象を与えるのか考えながら読んでいたのだが、ひとつには語り手というか主人公というか、このお話の中心となる人物が「流水」と呼ばれ、それが客観的な人物になっていないところが理由だろうと思う。「僕」でも「私」でも書けるところを代わりに「流水」にしている。実は一人称であるのに三人称の格好になっていると言ったらいいか、そのような書き方が本格ミステリーを思わせるのだろう。
あとは全体的に表現が大袈裟なところがあり、それも本格ミステリー的なのかもしれない。
密室も殺人もなくても文体で本格ミステリーを思わせることが出来るのだというのが驚きだった。

「おわりに」に、《英語をテーマにした小説を12冊も刊行》した、とあり、興味を持った。どんな小説なのか興味がある。

しかし990点を取るまでに毎回受験するなど、TOEICというのはゲームなのだなと思った。985点取ったんならもういいじゃんと僕などは思うが、考え方が違うのだろう。
僕も近いうちに一度受験したい。
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