佐藤優が『聖書を読む』で、ドストエフスキーはほんとうにキリスト教徒なんだろうかと語っているのを読んで衝撃を受けた。
これまで誰からも言われなかった話を聞くと印象に残る。
小林秀雄も大江健三郎もミハイル・バフチンもドストエフスキーとキリスト教の関係には疑問を抱かなかった。
なので、他にも佐藤優がこのことについて語っていないか知りたくて調べてみたが、あんまり語っていない。そもそも文学について語っていない。政治とか東京拘置所について語ったものが多いようだ(読んでいないので知らない)。
『修羅場の極意』(中公新書ラクレ)という本があり、このなかでドストエフスキーについて語っていたので本屋で立ち読みする。
ドストエフスキーが皇帝暗殺の容疑で死刑になり恩赦によって刑を免れた(という国家による芝居)ことにより、そのあと国家に歯向かうのが怖くなり、信じてもいないキリストを信じたふりをしたという考えらしい。
なかで本当に信じていたにしては過剰に神の話をしすぎるというような話があり、であれば遠藤周作はどうなんだ! と私などは思った。佐藤自身もよく神の話をしていると思う。が、ひょっとするとロシア正教なのに、ということだったのかもしれない。立ち読みなので私の思い違いかもしれない。日本のカトリックは神について語り過ぎても問題ないのかもしれない。
で、そのようにドストエフスキーが自分を偽って国家に従順な姿を見せるためにキリスト教徒を演じていたのだとしたら、すごいことだと思う。ドストエフスキーの影響をもろに受けた日本の戦後文学は何だったんだろうと思う。興味深い。
遠藤周作の『深い河(ディープ・リバー)』(講談社文庫)を読んだ。
昔宇多田ヒカルのアルバム『Deep River』が出たときに、彼女が遠藤周作のこの本の影響でタイトルをつけたと知り、興味もって読んで興味を失った記憶がある。
今回もあんまりおもしろいところはなかった。
読みやすくはあるが、あんまり何か残るようなものはない。誰が出てきて何を語っても、後ろにいる遠藤周作が見えすぎる気がする。
最後に暴動が起こって誰かが死ぬ、という話は大江健三郎にもよくあるが、これはふとドリフの「8時だョ!全員集合」の影響かなあと思った。コントが終わるとセットが崩れて音楽が鳴り撤収、そして山口百恵登場、みたいな感じを思い出した。大江健三郎や遠藤周作はドリフのファンだったのだろうか。もちろん、本気で信じているわけではない。
私にはおもしろさの分からぬ本です。
これまで誰からも言われなかった話を聞くと印象に残る。
小林秀雄も大江健三郎もミハイル・バフチンもドストエフスキーとキリスト教の関係には疑問を抱かなかった。
なので、他にも佐藤優がこのことについて語っていないか知りたくて調べてみたが、あんまり語っていない。そもそも文学について語っていない。政治とか東京拘置所について語ったものが多いようだ(読んでいないので知らない)。
『修羅場の極意』(中公新書ラクレ)という本があり、このなかでドストエフスキーについて語っていたので本屋で立ち読みする。
ドストエフスキーが皇帝暗殺の容疑で死刑になり恩赦によって刑を免れた(という国家による芝居)ことにより、そのあと国家に歯向かうのが怖くなり、信じてもいないキリストを信じたふりをしたという考えらしい。
なかで本当に信じていたにしては過剰に神の話をしすぎるというような話があり、であれば遠藤周作はどうなんだ! と私などは思った。佐藤自身もよく神の話をしていると思う。が、ひょっとするとロシア正教なのに、ということだったのかもしれない。立ち読みなので私の思い違いかもしれない。日本のカトリックは神について語り過ぎても問題ないのかもしれない。
で、そのようにドストエフスキーが自分を偽って国家に従順な姿を見せるためにキリスト教徒を演じていたのだとしたら、すごいことだと思う。ドストエフスキーの影響をもろに受けた日本の戦後文学は何だったんだろうと思う。興味深い。
遠藤周作の『深い河(ディープ・リバー)』(講談社文庫)を読んだ。
昔宇多田ヒカルのアルバム『Deep River』が出たときに、彼女が遠藤周作のこの本の影響でタイトルをつけたと知り、興味もって読んで興味を失った記憶がある。
今回もあんまりおもしろいところはなかった。
読みやすくはあるが、あんまり何か残るようなものはない。誰が出てきて何を語っても、後ろにいる遠藤周作が見えすぎる気がする。
最後に暴動が起こって誰かが死ぬ、という話は大江健三郎にもよくあるが、これはふとドリフの「8時だョ!全員集合」の影響かなあと思った。コントが終わるとセットが崩れて音楽が鳴り撤収、そして山口百恵登場、みたいな感じを思い出した。大江健三郎や遠藤周作はドリフのファンだったのだろうか。もちろん、本気で信じているわけではない。
私にはおもしろさの分からぬ本です。