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太宰治『パンドラの匣』

2014年11月20日 23時17分26秒 | 文学
太宰治『パンドラの匣』(新潮文庫)読了。
どちらかといえば昔読んだ時におもしろかった印象の「正義と微笑」が目当てで買ったのだが、「パンドラの匣」のほうがおもしろかった。
ぜんぜん覚えていなくて、このひとが実はこんなひとだった、手紙にはこう書いていたけど本当はこうだった、というところにきちんと驚かされた。
本当の気持ちは言わない、というカズオ・イシグロ的な小説をもっと読みたくなった。
昭和二十年の戦争の終ったすぐ後の太宰治の気持ちのよく表れたいい小説だと思う。日付のきちんと書かれてあるものに最近非常に興味を持っている。

作者なんてどうでもいいのだ、という思想が語られ、いま読むと井伏鱒二のこと? と思ってしまう。
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