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吉本隆明の本をたまたま読んでいる

2012年03月17日 00時21分11秒 | 文学
いまたまたま、大河ドラマの「平清盛」研究(?)の関連で吉本隆明の『西行論』を読んでいるところなので、亡くなったというニュースを聞いて偶然に少し驚いた。
吉本隆明の本は大学時代に読み始めて、そのあとも気になる本をぽつりぽつりと読んでいる感じであるが、これを機会に書店で本が並ぶと思うので何か読んでみてもよいかと思う。
『西行論』については、意外と分かりやすく書かれていて良い本だと思う。もっとも驚いたのは引用文で、ふつう引用文というのは古文であれば原文そのまま、訳を載せるにしても誰が何年に訳したどこの出版社のものであるかを書くのが常識のようになっている。『西行論』の引用文はたぶん吉本隆明本人が現代語訳した文章が”断りもなく”載っていて、非常に読みやすい。誰も好きこのんで読みにくい古文なんぞ読みたくはないのだ、という主張が感じられて、よい。
引用文はできるだけ原文で、それが駄目ならきちんと翻訳の本を明記する、というのは、大学生や学者でもないひとに適用されるルールでもないのだと思うのだが、やはりどうしても従ってしまうものだ。ほんとうは自分の本なのだから勝手にすればいい、という考えも成り立ちそうなものだが、どうしても変な呪縛があるものだなということを感じた。
これは、英語などわからないのに洋画を見るときは吹き替えではなく、字幕で見る、という発想と同じようなものなのだと思う。
自分は文化の中心にはいなくて、自分とは離れたところにほんとうの文化があると考えるのは文化後進国の特徴なのだろう、と吉本隆明っぽくしめて終わる。
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