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吉越浩一郎『英語をやっていて、本当によかった。』感想

2011年07月18日 23時49分26秒 | 文学
吉越浩一郎『英語をやっていて、本当によかった。』(ワック)を図書館で借りて読んだ。
いつもチェックしているわけではないのだが、本田直之がツイッターでこの本を奨めているのをたまたま目にして、タイトルが気になって読んでみた。
吉越浩一郎という人がトリンプの元社長で、奥さんはフランス人で、ドイツ語は出来たが、英語を真剣にやろうとしたのは29歳からであるという、あまり私の参考になる境遇ではないということはよくわかった。
と、毒づいておきながらも、わりとおもしろい本ではあった。
英語の勉強法について書かれている本を期待したが、そういう本ではなかった。英語については、「LとRの発音の違いは気にするな、私も出来ない」ということと、「大人になってから英語を勉強するときは文法をやった方がいい」というくらいのメッセージしかなかった。
あとは、自分の経験からのビジネス論が中心の本だった。
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吉本隆明『真贋』

2011年07月18日 17時58分44秒 | 文学
吉本隆明『真贋』(講談社文庫)を読んだ。
最近読んだほかの吉本隆明の本(『今を生きる親鸞』『老いの幸福論』)と内容は重なる部分もあったが、この本がいちばんおもしろかった。
釈迦も孔子も倫理的に良いことしか言わないから駄目だといった安藤昌益に興味を持った。安藤昌益の本はどこかで読めるのだろうか。
文学の毒の話はおもしろかった。本を読むことはよいことだといわれているが、読むことによって実生活への興味がなくなったりというような毒が表れることがあるという話。まさしくその通りと思った。
川端康成は、女性の新人編集者がやってきたときに一言もしゃべらず、とうとうその編集者が泣いたという噂話は初めて聞く話だった。吉本隆明が川端康成について話すのを聞くのは初めてのことのように思う。そもそも、誰かが川端康成について何か言ったり書いたりするのを見たことがない。変人のようで、少し川端康成に興味を持った。
戦後の作家では、太宰治の評価が高いのは知っていたが、それと同じように武田泰淳の名前が出ていた。
夏目漱石の奥さんが書いた『漱石の思い出』に興味を持った。
小島信夫は、人の嫌がることをわざと言うような人だったらしい。
ざっと興味を持ったのは以上のようなところだ。

このところ、向田邦子ブームなのではないかと思っていて、何か読むべきかなと思ったりもするのだが、それと同じようにサマセット・モームブームなのではないかとも思っている。ここ最近で新訳が三作品も出た。
向田邦子よりもモームのほうがおもしろいだろうから、『昔も今も』と『お菓子とビール』を購入した。
『お菓子とビール』は昔新潮文庫(タイトルは『お菓子と麦酒』)で読んだことがあり、なかなか切ない感じでよかったと思うのでもう一度読んでみる。
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