ダブログ宣言!

ひとりでするのがブログなら、
ふたりでするのがダブログ。

吉本由美『するめ映画館』

2011年01月12日 00時07分37秒 | 文学
吉本由美『するめ映画館』(文藝春秋)を図書館で借りて読んだ。
吉本由美よりも、対談の相手として登場する村上春樹に興味があって読んだ。
吉本由美が推す、アニエス・ヴァルダ監督の『落穂拾い』、糸井重里の推す、チャン・イーモウ監督の『初恋のきた道』が気になった映画だった。
吉本由美と村上春樹と和田誠が野球映画について語るところがもっともおもしろかった。僕も野球そのものにはあまり興味はないのだが、それを取り巻くさまざまなことには深く興味を持っているので、野球そのものに興味がなく野球映画は見るという和田誠の気持ちはよくわかる。
『プリティ・リーグ』、『ナチュラル』、『フィールド・オブ・ドリームス』は見てみようと思う。
あと、ちょっとだけ触れられる市川崑監督の『どら平太』も興味を持った。

僕にとってのするめ映画(噛めば噛むほど味が出る映画)は何か、と考えてみたが、『彼女を見ればわかること』と『花とアリス』と『ジョゼと虎と魚たち』と、有名だけど『レインマン』と、他に何かあるかなあ。基本的に最近は何度も同じ映画を見ることがなくなったから、するめ映画の範疇にはいるものがほとんどない。何度も見たということであれば『ルパン三世 カリオストロの城』と『魔女の宅急便』だけど。

平野啓一郎『ドーン』を図書館で借りて読んでいるが、なかなかおもしろい。マイクル・クライトンみたいな話。SF。トム・クルーズの出てた映画『マイノリティ・リポート』をすこし思い出させもする。日本の小説でこういうものを読んだことがないので なかなか新鮮。
物語の最初のほうに登場する、アリスのパロディ、年老いたアリスがもう一度穴に落ちて、なかなか底につかずに、骨になってしまう、それは実は宇宙空間をさまよっている、という現代イギリス小説の引用(たぶん平野啓一郎が作った話なのだろうけれど)のところでものすごく掴まれた。こういうインテリっぽいのっていいよなあ。
が、いまディケンズを読んでいるので、中断するかも。『ドーン』はもっと軽いものかと思っていたが(「欽ドン!」ぽいものを期待していた)、内容が濃いので『荒涼館』と平行では読めない。
文庫になってからまた読むか。
しかし平野啓一郎は結構すごいと見ました。
コメント