ダブログ宣言!

ひとりでするのがブログなら、
ふたりでするのがダブログ。

新渡戸稲造『現代語訳 武士道』感想

2011年01月04日 22時52分53秒 | 文学
新渡戸稲造著、山本博文訳『現代語訳 武士道』(ちくま新書)を読んだ。
たいへんおもしろい本だった。訳もよみやすかった。
日本人の倫理の根本には武士道がある、という仮定で論を進めるし、新渡戸稲造はお札の肖像の人だし、なんだか古臭い話なのかと思っていたけれど、ヘーゲルやニーチェの話も出て(ヘーゲルとニーチェも決して新しいわけじゃないけれど)、意外と新しい人なのだなと思った。奥さんが外国人であることも驚いた。千昌夫以前にも奥さんが外人の人がいたのだな。
新渡戸稲造は頭のよい人だと思った。もっともっとライト(Right)で日本万歳な感じなのかと思っていたが、いいバランスでいやな感じはなかった。
しばらくこの路線の本を読もうと思っている。
三島由紀夫『葉隠入門』(新潮文庫)
渋沢栄一『現代語訳 論語と算盤』(ちくま新書)
宮本武蔵『五輪書』(ちくま学芸文庫)
宮本常一『忘れられた日本人』(岩波文庫)
このへん。

それとついでに今年読もうと思っている小説についてメモしておく。
平野啓一郎『ドーン』(講談社)
町田康『告白』(中公文庫)
吉田修一『悪人』(朝日文庫)
ここ何年かで気になりながらも読んでいない作家を一気に読んでみたいと思っています。

ああそれから、森鴎外の「歴史其儘と歴史離れ」を再読した。
森鴎外が歴史(自然)に手を入れることを嫌った気持ちが最近よくわかる。
小説を読んでいて、作家個人の世界観とか倫理感とか趣味みたいなものが色濃く感じられると、なんだか「みみっちい」と思ってしまう。
三島由紀夫の何かの小説を読んでいたときに登場人物が全員三島由紀夫に思えて気色悪くなったことがある。
登場人物とか話の展開とかに作家の手が感じられるのってなんだか嫌なものです。
コメント