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最近読んでいる本について。

2010年05月17日 22時48分11秒 | 文学
最近読んでいる本について。

許光俊の『クラシックを聴け!』という本を読んでいる。
クラシックを聴くためには、本格推理小説を読んでサラダを作れ、という出だしは良かったのだが、読んでいくとだんだん普通の本みたいになってくる。最後まで、本格推理小説とサラダのような話で押し進めてほしかった。
クラシック音楽がなぜ入りにくいのかというと、説明などを読むと、ここが何を表してここはこうで、と書いてあるのだが、それがさっぱり理解できない。ワインの味について「フランスのブルゴーニュ地方の枯葉を思わせます」と言われてもさっぱり理解できないというのに似ている。音楽を表現するために物語で説明するのだが、それなら物語を読むよ、なんでそんなに遠まわしに音楽を聞くことで物語を読まなくちゃいけないの? と感じてしまう。
この本の中で、芸術の二種類の美として、「感情移入型の美しさ」というのと「抽象的な美しさ」というのがあると語っていた。僕が本を読むときに、「感情移入型の美しさ」ばかり求めて、数学的な、抽象的な、構造の美しさにあまりピンとこないのはクラシックを聴かないからなのかもしれない。円環構造? だから? と思ってしまうことがよくある。『1Q84』のおもしろさが分からないのもたぶんそのせい(分からないことだからたぶんとしか言えない)。

坂本龍一の自伝『音楽は自由にする』を図書館で借りてきて読んでいる。
NHK教育の『スコラ』を見ていて坂本龍一のことが気になっているので。
これはなかなか面白い本だ。
ゴダールとかデリダとか、あの時代のひとは興味を持っていたのだなと思う。当時の雰囲気に浸れる。
クラシック音楽についての勉強のために読み始めたのだが、そこはあまり勉強にならない。坂本龍一についてはよく理解できるがそこまで彼に興味はないのですぐ忘れてしまいそう。
いままでのところ、「坂本龍一ってすごい!」とは一度も思っていない。有名人の自伝って、「この人すごい」と何度も思わせるものかと思っていたがそういうものでもないらしい。
ドラッカーの自伝『傍観者の時代』も読んでいる。
意図せざる自伝ブームだ。
ついでに、サイード『遠い場所の記憶』やガルシア=マルケス『生きて、語り伝える』なども読もうか。
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