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☆遠藤周作「死海のほとり」

2010年05月01日 10時08分17秒 | 文学
遠藤周作の「死海のほとり」を読んだ。図書館で「遠藤周作文学全集3」(新潮社)を借りて読んだ。全集は二段組みだし、本が重い。ケチらないで文庫を買うことにしよう。
村上春樹の「1Q84」のあとなので、ずいぶんと気楽に読めた。
書いてあることを読めばいいだけなので良い。
本というのは書いてあることを読めばいいだけじゃないのかと思うかもしれないが、そうじゃない場合もある。「1Q84」はそうじゃないんだということが較べてみるとよくわかった。
遠藤周作の小説は列車に乗って座っていると目的地に着く感じなのだけれど、村上春樹の列車は床が抜けていて、線路の上を列車とともに自力で走ってないと目的地に着かない。置いていかれる。喩えるとそんな感じだと思う。

「死海のほとり」は二つの話が交互に語られて、イエスの話と現代の話が最後に融合するというふうな形式になっている。
遠藤周作の描くイエスは奇跡も起こさないし、復活もしない。新鮮だった。
超人としてではなく、普通のひととして、そこにどのような思想があるのか見るというところがおもしろいと思う。
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