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☆河合隼雄「カウンセリングの実際」感想

2009年09月03日 22時21分37秒 | 文学
カウンセリングの実際―“心理療法”コレクション〈2〉 (岩波現代文庫)河合隼雄の「カウンセリングの実際」(岩波現代文庫)を読んだ。
これからカウンセラーになる気もないし、心に問題を抱えたひとが周りにいたとしてそのひとの相談にのるときに役に立つだろうと思って読んだわけでもない。そういうのは素人が相談にのって上手くいくものではない。問題を抱えた人にはできるだけ近づかないほうがいいだろうと考えている。
でも興味深くおもしろかった。
どういうふうに興味を持ったかといえば、カウンセラーとクライエントとの話はひとりの人間のこととしても読めるなと考えながら読んでいた。
自分の心を考えれば、病んだ、というようなところも少しはあるように思うし、病んでいないにしても、何か弱いところや何かに固執してしまうところはあると思うので、そういう気持ちをクライエントとして考えて、それを別の、少し客観的に見る視点をカウンセラーとして考えることもできるなと思った。
河合隼雄の言うことで、「片を付けない」というところが非常に示唆的だと思った。何か問題があるときに、「まあそうは言っても人生いろいろだし」とか「まあいいこともあるし悪いこともあるさ」みたいなことを言って、なんとなく片を付けてしまうことはあるのだけれど、カウンセリングではそのような安易な解決に持っていかないで、何もしないでいるということが大切なことだとあった。
問題をそのままに、そのままの状態で耐えるということは、これからのテーマにしていきたいと思う。
時間と場所を決めて、それ以外では基本的にはクライエントに会わないという原則も、自分の問題と付き合う上でのいい方法かもしれない。何か問題があると、自分のことであるとそこにずぶずぶと沈んで抜け出られなくなるということはあると思うので、冷静さを保つという意味で。
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