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☆白洲正子「魂の呼び声―能物語」

2007年09月22日 14時54分19秒 | 文学
能の物語「白洲正子全集」(新潮社)の第八巻で、「魂の呼び声―能物語」を読んだ。内容は、講談社文芸文庫の「能の物語」と同じ。
「井筒」「鵺」「頼政」「実盛」「二人静」「葵上」「藤戸」「熊野」「俊寛」「巴」「敦盛」「清経」「忠度」「大原御幸」「舟弁慶」「安宅」「竹生島」「阿漕」「桜川」「隅田川」「道成寺」の二十一篇が収録されている。
読み終わって、能の題材はほとんどが源平ものなんだなと思った。しかし、そのあと解説を読むと、白洲正子がそのような物語を集めただけということが書かれてあった。勘違いするところだった。
「井筒」「二人静」「葵上」「舟弁慶」「隅田川」がおもしろいと思った。
読んでいるとだいたい同じような話で、僧が旅の途中で出会った人物が死んだ平家の誰かの話をして、さらによく聞いてみるとその話をしている人物自身がその平家の誰かの幽霊であるということがわかる、という話が多かった。
多かったので、それに類する話はあまり印象に残らず、色合いの違う話のほうが印象に残りおもしろかった。
「葵上」は「源氏物語」そのままではなく、すこし違っていたように思う。
あの場面では光源氏も妻のそばにいたんではなかったっけ? 幽霊の正体もあそこではわからないままだったように思う。
など疑問に思ったが、「源氏物語」自体の話をかなり忘れてしまっているので、はっきり違うとは言い切れない。
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