”朝吼夕嘆・晴走雨読”

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「法政大沖縄文化研」連続講座

2007年06月25日 | 「美ら島沖縄大使」便り
 月一の頻度で行われる法大沖文研の公開講座。23日の土曜、吉成直樹教授による「奄美諸島史から見た沖縄史・琉球王国」の連続講座聴講。院生に混ざって中高年の一般聴講生50余名。4時間を越えるにも拘らず興味尽きない内容だった。
 最近の威信財としてのヤコウガイ大量遺跡の考古学発見成果を中心に7~8世紀、琉球弧中核としての喜界島の役割や三山鼎立の琉球王国通説への疑問を越えた反証。
 三山説は「印欧語族神話に共通の①神聖主権②戦闘性③生産・豊穣の三区部イデオロギー」の影響、フィクションではないかという説。その他に「名実録」と「朝鮮王朝実録」の矛盾。李朝「海東諸国紀」地名論から「久米村」への疑問、傍証以外に安里進や池宮正治所説の数々の引用による補強。
 講演はパワーポイント・スクリーンと両サイドにビデオ・デスプレーを併設、我々一般人にも判り易意説明で、まるで推理小説を読むように興味尽き無かった。今、南島史?は通説のスリリングともいえる変革期、目が離せない。
 早稲田の琉球・沖縄研が“学際、国際性”を打ち出しているのに対し、法政研は“奄美・琉球への地域・文化研”に傾斜する特徴、ことに最近の考古学成果と倭寇研究による琉球・沖縄史における琉球王国史観の相対、流動、氷解の予感。反面、素人の印象として法政研の内部相互批判を超えた統一イデオロギートレンドのようなものを感ずる。
 この日、夜は上京の沖縄高校PTA連合会役員の方々との懇親に臨む。
 

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1 コメント

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奄美の歴史の疑問 (大城)
2007-07-02 12:04:17
奄美列島は、沖縄と律令時代の種子屋久の間にあり、その記録、遣唐使の南島ルートにあり、北から沖縄へ、沖縄から朝鮮等、各種交流が想定されるいるのに(宮古・八重山と対比すれば明確だ)、何故に、歴史的な意義、位置づけがはつきりしないのでしょうか。琉球王国の1ブランチにとどまる。第1尚氏の尚徳の喜界島征伐(?)があったとは言え、その有利な地理的条件が生かされているとは言えない。何故だろう。村落国家としては、種屋久、琉球三山と同じものがあっても良いでしょう。領域、人口でも存続可能でしょう。歴史家に期待されるものが多い。「明実録」が正しい。
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