日本で繁殖する野鳥たちの恋の季節になりました。既にカイツブリなどは池に「浮巣」という小枝や葉っぱで作った巣に卵を産み、雛が飼えっている場所もあります。
また、各地でオオタカなどが営巣していと聞きつけると、野鳥カメラマンたちが殺到し、トラブルになることもあります。
皆さんが良く知られる「春告げ鳥(ウグイス)」も平均気温が15度以上になると、メスにラブコールしますが、初鳴きする頃は、まだ、上手く鳴くことが出来ずに「ホ~ケキョ」と音程がズレたような鳴き方です。。そのために、雄のウグイスは「練習鳴き(ヴィストレーニング)ならぬ、囀りの練習に励みます。1週間~10日で「ホーケキョ、ケキョ」ととても癒される鳴き声が鳴くようになるのには、実は、一年以上かかると言われています。
特に、ウグイスは「鳴き声が上手く」ないと結婚相手、メスと出逢えません。
鳴き声が上手いかを決めるのは、メスの好みにあります。
そうして何日も、メスに出逢うまで鳴いて、ゴールディンウィーク前ほどには、営巣の準備(巣作り)が始まります。そして、ウグイスの抱卵日数は14日~16日で、巣立ちまでの日数は14日と約半月になります。
私が最近見かけたのは、ハシブトカラスが木の中に営巣し、卵を産んでいました。
それも、葛西臨海公園の池の葭原、ヒクイナなどが出現するスポットです。そこの木に営巣したので、卵を産まない前なら、撤去しても飼わないのですが、卵を産んで抱卵している巣を駆除することは「愛護違反行為」となります。
また、5月に入ると、4月に営巣した雛が巣立ちます。このころから「幼鳥」や雛に餌を与えるところなどを確認出来ます。
3年前の5月に地元の公園を、カメラを持って散歩中に、私の頭の上、手を伸ばせば当たりそうな高さをカラスぐらいの大きさの鳥が口にトカゲらしきを咥えているのが分かり、追いかけたら、松の木に「オオタカなメス(親)」が止まり(キィー)と鳴きました。直ぐにオオタカと分かり、カメラを構えて撮影しようとしたら、甘えるような鳴き声(キュー、キュウ)と鳴いたのは、オオタカの雛でした。
オオタカのメスが咥えていたのは、カナヘビでした。木の上に置いて、キィーと鳴いたのは「取りに来なさい」と狩りの仕方を教えていたところを撮影出来たのは、奇跡に近い偶然でした。
千葉に引っ越して35年になるのに初めての遭遇でした。それも親が雛に狩りの仕方を教えて、独りで狩りが出来たら、親離れして巣立ち出来るのです。
オオタカなどが雛に狩りの仕方を教えるというのは知っていましたが、それはNHKなどのテレビ映像や図鑑の写真などで観たことはありましたが、実際に目の前で10分ほど時間、オオタカの親は雛に狩りの仕方を教えていました。
その場面を撮影出来たことは、本当に幸運でした。
今年も、営巣や抱卵、巣立ちなど雛を既に何種類か撮影出来ましたが、今年はどんな「生命の誕生」に出逢えるか楽しみです。
一年に一度の時期にしか出逢うことがない「野鳥の恋の季節」がやって来ました。
残念ながら、私には恋の季節は来ないようです。
センスプロデュース研究所、葛西行彦