外相の弾いたイマジンからの騒動

2022-01-02 00:00:40 | 音楽(クラシック音楽他)
G7サミットの夕食会の席で林外相が「イマジン」をピアノで即興演奏したことが気に食わない人がいるようだ。趣旨としては、無政府主義曲だとか左翼的といったこと。いわゆる日米のネウヨ民からだ。

実際には、会場がリバプールのビートルズ・ストーリー博物館のイマジンの部屋だったので、批判したいなら会場選びの方を対象にすべきなのだろう。

イマジンの歌詞というのは、一番は上を向いても天国はなくて空があるだけで地面の下には地獄はないというような漠然としているが2番では、国家や宗教がない世界を想像してみようというように、国家や宗教を否定する内容になっている。3番は自虐的に現実と理想の差を語っている。

おそらく外相がイマジンを弾いた伏線は東京五輪の閉会式だろう。正々堂々とイマジンが使われた。五輪精神から言えば当たり前だが、閉会式の直前まで多くの選手たちは自分たちのスポンサーである所属国家を意識していたはず。

とはいえ、五輪閉会式のイマジンにクレームが付いたような話はなかった。


ところで、ここで唐突に世界の情勢を考えると、どの国にも法律があり、ほとんどの国には憲法があるが、そういった憲法を頂点とする法律群よりも重要な教義があると信じている人は世界の半分以上(たぶん9割位)いるらしい。

多くは宗教。それから風習や因習。会社の中などにも社風と言われる風習がある。また憲法より前からある封建主義が好きだという人もいる。LGBTQ差別派のよりどころだ。立憲民主党が伸びないのも憲法を守るというようなことを言うからで、もともと憲法を軽視しているのは与党だけではなく国民全体が憲法を軽視しているからで、世界的にいっても特に軽視がいけないということでもないわけだ。

ジョン・レノンも2番で国家や宗教を否定した後、3番、4番、5番で憲法や法律や軍隊や交通警察やマフィアや税務署といったものを次々に否定していけば無政府主義とは言われなかったと思うが、それでは曲が延々と続きそうなのでカットしたのだろう。

一方、改憲派というのも、そもそもあまり守られていない憲法を変えてどうしようというのだろう。ある意味、立憲主義に立ち戻ろうというのかな。それぞれ異なるイマジン。

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