第二東名工事現場訪問

2008-09-11 00:00:39 | 市民A
6ebaa1f6.jpg日本三大急流の一つである富士川に新しい橋が完成している。高度は70メートルだが、両サイドにトンネルがある難工事だったようだ。しかし、コンクリートの橋に厚さ8センチのアスファルトが舗装され、一般に供用されるのは、もう少し先になるはずだ。最近、第二東名の工事現場をお邪魔する機会があった。

写真をいくら写してもいいとは言われたが、さすがに腰の高さまでの欄干から身を乗り出すのは勇気がいる。しかも、高速走行用に道路は僅かにカーブの内側に傾斜しているので、垂直感が怪しくなる(よろけそうで本当に怖い)。

完成時の制限速度は未定だが、現在の東名よりも、はるかにカーブや勾配が緩やかに設計されているので、130キロ程度になるのだろうか。ということは150キロ程度で走り続けるクルマもあるだろう。燃費を気にしなければ、性能上はそれくらいのスピードは軽々と出るのだろうが、例えば、この富士川の橋のように空を飛ぶようなイメージのあと、見るからに狭いトンネルに突っ込むには、かなり恐怖感がある。片側三車線道路の両サイドはトンネルの天井にぶつかりそうな錯覚を感じる。

6ebaa1f6.jpgまた、この橋の東側には「富士インター(仮)」が予定されていて、正面は遥か先まで展望が開け、南は駿河湾、北は富士山と運転中、横を見る余裕があれば、すばらしい眺望が開けるが、なにぶんインターチェンジなので、クルマの輻輳で危険だろうか。


なぜ、そんなところに行ったのか、という話は、ちょっと書かないが、元々、第二東名、第二名神について、大きく勘違いしていた。富士山の裏側を走るものと思っていた。目的の一つが、東海大地震の時の動脈確保という観点なので、かなり山の中だろうと思っていたわけだ。ところが、まったくの誤解で、第二東名については、現在の東名の1キロから15キロ程度北側に平行するそうだ。だから、東名の静岡区間であちこちに垣間見える建設中の橋やトンネルは、これなのである。

しかも、第二東名は西側が豊田で東名と交差してから一転南下し、名古屋市の南側の伊勢湾岸自動車道になり、さらに亀山から紀伊半島を突き抜けて大津から京都大阪間を通って六甲山の山中で終点になるようだ。つまり、全区間の中で、豊田から亀山という中京圏だけはすでに完成して運用されているわけだ。

6ebaa1f6.jpgで、今更、第二東名の必要性といっても何ともならないのだが、冒頭に書いた東海大地震の備えというのは副次的な話で、最大の問題は、既存の東名の交通量が多すぎて、危険であること。特に大型車が多いということらしい。設計能力より30%~50%程度多いそうだ。となれば、現在2~3車線の区間を4車線にすればいいようだが、事実上困難。こういうのも最初の構想が甘かったために、あとで巨費が必要になる原因だ。

道路は、一般に土を切ったり盛ったりする通常工事と、主に橋やトンネルをつくる構造工事と分かれるそうで、既存の東名は構造工事の比率が20%以下なのに対し、第二東名は構造工事が60%を超えるそうだ。だから、費用は桁外れらしいが、実は、この工事費の予測は、現在の道路料金にすでに織り込まれているらしいのだ。

3年前に道路公団が民営化した際の計算では、45年後には、有料道路はタダになることになっていて、既に3年経っているが、予定よりも早いペースで返済が進んでいるそうだ。実際に売上げ高はETC割引の普及で、減少しているのにもかかわらず、収益が上がるというのは、『民営化効果』ということなのだろう。ただし、42年後に一気に無料にするというのが、本来、合理的かどうかは、大いに異論があると思えるわけだ。今と比べれば、半額だって十分に安いのだから、もう少し前から徐々に引き下げて、最終的には有料でもいいんじゃないか、という意見だ。

しかし、方針を見直すには、まだ早すぎるのだろう。


6ebaa1f6.jpg工事の進捗だが、ちょっと変わったやり方になっていて、普通はエリアごとに6車線を作っていくのだろうが、いつ震災がきてもいいように、とりあえず、場所によっては、上りや下りのどちらかを先に作り、未開通部分はを工事用の側道で結んで、静岡県内に緊急道路を1本確保する、という方針になっているそうだ。現在93%がカバーされているそうだ。

ところで、耐震性だが、太平洋上の「東海地震」などには100%安全で、阪神淡路(関東大震災)のような直下型の場合は「ひび」が入る程度になっているそうだ。短期間で修理可能ということらしい。橋げたには落下防止のワイヤーがついているそうだ。橋げたが落ちてしまうと、直すのが困難になるので、何とか落下しないようになっているそうだ。もちろん橋を走行中のクルマにはワイヤーはついていないので、高度差70メートル、ノーリターンだろうか。安全で快適走行の第二東名と、地震に危険で道の細い既存東名が同一料金だったら、既存東名を走るクルマがなくなってしまうではないかと思うのだが、どういうことになるのだろうか。

二つの道路の関係について質問したが、明確な答えは得られなかった。


ところで、この第二東名だが、東側の起点は海老名南だそうである。既存の東名で言えば、厚木インターチェンジのあたり。既存東名はそのあと、「横浜町田」「横浜青葉」「東名川崎」で「用賀」から首都高3号線につながっている。

仮に、海老名南で道路が終わってしまうと、神奈川県内はが渋滞の山になるのは目に見えていて、にっちもさっちもいかない。「まだルートは決定されていない」ということだそうだが、実は、多摩ニュータウンの南側に謎の巨大道路予定地が東西に延びているのだが、そこが多分都内への入口なのだろう、と憶測しているのではあるが、もしかしたら、道路ではなくリニア新幹線の予定地なのかもしれない。

結局、最後は細くまがりくねった首都高の問題になるのかも知れないとは、私の予感である。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿