あの頃ペニー・レインと(2000年 映画)

2018-12-24 00:00:17 | 映画・演劇・Video
2000年の公開(米国)の映画だが、舞台は1970年代の米国のロック・シーン。厳格な母親に育てられた少年ウィリアムが、15歳でロックコンサートの評論を書き、あの『ローリング・ストーン』誌の編集長の目に留まったことから、ある新進のロックバンドの国内ツアーに密着取材して記事を書くことになる。

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ところが、この4人組のグループだがギタリストのラッセルだけが一流で、残りは二流なので、常に内輪もめが起こっている。さらに、おっかけの女(グルーピー)たちがつきまとい、一日中、落ち着く時間がなく、インタビューは何日たっても始まらない。

そして、どうもウィリアムの『ローリング・ストーン』誌への途中報告(電話)が気を持たせる内容になっているため、編集長は記事も読まずに(書かれていないし)表紙採用を決めてしまう。

一方、グルーピーの一人(自称:ペニー・レイン16歳)は、ラッセルとウィリアムの二股交際を画策するが失敗。ついに睡眠薬自殺を図るがうまくいかない(コメディだからだ)。

15歳で記者になるとは途方もない脚本だと思っていたのだが、監督のキャメロン・クローは実際には16歳で音楽記者をやっていたそうで、本当はこの実話の方が驚きだ。


映画の中で、1970年代には「ロックは下火だ」ということになっている。おそらく下火ではなく、現状維持が続いているということだろうか。たぶん、あらゆるジャンルの音楽が停滞しているのかもしれない。ツタヤのレンタルの棚をみても、なぜか「アニソン(アニメソング)」が大量の幅を誇ってる。趣味は「自宅でこっそりアニソンを聴く」という人が多いらしい。もちろん就職にあたって書く履歴書の趣味の欄に、「音楽(アニメソング)」とか「音楽(K-POP)」とか正直に書く人はいないはずだ。

映画のことを書く前にどんどん字数が増えていってしまうが、なかなかいい映画である。時間は2時間だが、あと2時間ほど続きをやってほしいなと思うほどである。ただ、あまり悲しい事件は起きないので、映画を観るたびに人生の深淵を覗いてみたいという劇的進行愛好家の方には向かないかも。