秋田書店の運命

2013-08-27 00:00:27 | 市民A
消費者庁から、景表法違反として措置命令を受けた秋田書店のことだが、最初は事案を聞いていて、ただただ呆れるばかりだった。少年チャンピオンを絶対基盤として、その後、事業拡大で、今や18誌も発行している業界での一流企業なのだし、景品の数をごまかすメリットとそれがバレた時の社会的評判の失墜による損害を比較すれば、起こるはずのない犯罪行為だからである。

また、会社が知らなかったというのも無理な話で、景品の数の管理などは、会社の経理部や監査部門、あるいは外部の監査人、税務署、みんな目をつけるところなのだから、わからないはずないわけだ。

本来は、こういうのをブラック企業というのだろうが、いまやブラック企業というのは労務問題で不正行為を社員に押し付ける会社という意味につかわれるようなので、いわばブラック企業犯罪部門とブラック企業労務部門と二部門制にしないといけないなあ、と思っているうちに告発社員を解雇、という報道が始まり、事実ならば二部門ともにベスト3入りしてしまった。

もっとも、景品の数が多少の数が合わないことはよくあることで、私も過去のある会社のイベントでマイケルジャクソンのコンサートチケット10枚仕入れていた時に、聴きつけた社内外の有力者から黒い手が伸びてきて5枚が事前消耗してしまった時には途方に暮れてしまった。任天堂製品はおカネを払えば手に入るがチケットはそうはいかない。

ただ、そんな状況でもないのに恒常的に水増しを続けたのは、まあ企業体質なのだろう。

で、問題は、今後の秋田書店だが、一流から三流へ堕ちていくのだと思われる。(すでに堕ちたと言ってもいい)

なにより出版社にとって、もっとも重要なのは、作家(漫画家)と読者であることは自明である。まず、問題が起きた(発覚した)のが女性向けコミック誌に集中していることから女性誌からの読者離れが始まるだろう。次に漫画家だが、そんなブラック誌と付き合い続ける気になるだろうか。さらに原稿料は払えるのだろうか。もちろん漫画家の数は無数なので、誌面を埋めることはできるのだろうが、売れるかどうかは別物だ。

そうなった場合、再起できる可能性は、あまりないような気がする。

やはり企業は一流を目指さないとダメなんだろうと。つくづく感じるわけだ。