ビロウな話で恐縮です日記(三浦しをん著)

2013-08-19 00:00:30 | 書評
2008年の暮に上梓された日記風の一冊(というかブログに書き込んだものらしい)。

小説家の日記は他人に読まれることを意識している、という大胆な仮説のもとに、それならば日記を公開して、最後に出版しようということになったらしい。

biroo


で、2008年当時は、まだ大作家の中に入っていなかったらしく、発行元の太田出版は彼女に「妄想体質作家」という肩書を与えているが、実は、一冊を読了した後に感じたのだが、彼女のエネルギーには3つの根源があると思える。

漫画(コミック)より筋書の展開の大胆さを得ているように思う。ふつうは無意識のうちにギリシア悲喜劇やシェークスピア的人間観を小説の中に組み立ててしまうものだけど、ストーリーの独自性って数多くの漫画から重層的にできているのだろうと思う。(邦画の世界でも漫画ストーリー増えているけど)

夢。といっても「わたしの夢は・・」というのじゃなく、実際にストーリー性の高い夢を見るみたいだ。どこかに書いてあったけど、画像のないストーリーだけの夢を見ることがあると書かれていた。それって、小説を頭の中で書いているってことだろう。
私も、見る夢は進歩がないけど、眠い目をこすりながら小説を読んでいると、意識がとぎれた後のストーリーが、勝手に頭の中で進行していることがある。もちろん夢の中の話の方が面白い。

生活のでたらめさ。作家の中には、村上春樹みたいに5時に早起きして午前中の決まった時間だけに小説を書くという人たちもいれば、編集者数名に追いかけられて、それでも小説書きをルーティンにしない人たちもいる。無頼派?春樹がつまらなくなってきたのは、早起きのせいかな。健康に気を付け、長生きしてスウェーデン旅行を老後の楽しみにとっておく、とか。

一方、自分のことといえば、何でも中途半端だから・・